昨日の夜は、六本木のビルボードライブ東京に、コリーヌ・ベイリー・レイのライブを観に行った。
彼女の曲を聴きはじめたのは、3年くらい前に松浦俊夫さんのラジオ番組「Tokyo Moon」で「The Heart Speaks in Whispers」の収録曲を耳にしてから。ようやく念願叶っての初ライブ体験は、何というかもう、ほんとに素晴らしくて……すっかり感動してしまった。ステージ上のコリーヌは、表情や身振り手振りの一つひとつがチャーミングでのびやかで。高低も強弱も変幻自在にゆらめくような歌声が、バンドのサウンドにぴったりフィットしていて。何よりも、彼女自身が今、本当に幸せで、歌を歌うこと、音楽を奏でることが、楽しくてたまらないのだという思いが、会場に渦巻くようにあふれ出していた。
コリーヌはけっして順風満帆な音楽人生を歩んできたわけではない。デビューアルバムをリリースした後、最愛の夫を亡くし、立ち直るまでに長いブランクを経験している。だからこそ、歌い、伝えることのできる幸福というものが、今の彼女の音楽に宿っているのかもしれない。