歩いたことのない道

午後、目黒で打ち合わせ。これから作りたいと考えている本の企画について。新しい企画の持ち込みプレゼンは毎回緊張するけど(当たり前か)、どうにか無事に終えることができた。

打ち合わせを終えてビルの外に出ると、すぐ近くを目黒川が流れているのに気付く。このまま家に戻って、山のように届いてるはずのメールの返信に忙殺されるのが嫌だったので(苦笑)、川沿いをぶらぶらと、中目黒や代官山の方まで歩いていってみることにした。

ゆるりと吹く冷たい風の中、マフラーに顔を埋め、両手を上着のポケットに深く突っ込んで、ざくざく歩く。そういえば、目黒駅の近くから、この川沿いの道を歩いたのは、初めてだ。見たことのない店や家並、遠くのビルの影。ほんのちょっとだけ、旅に出たような気分になる。

東京で暮らしはじめて、かれこれ二十数年になるけれど、この街で僕がまだ歩いたことのない道は、それこそ無数にある。そう考えると、ちょっともったいないような気もしてくる。もっと、知らない道を歩いてみたい。知らない場所に迷い込んで、おろおろ右往左往してみたい。たぶん、性に合ってるんだな、そういうのが。

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