約一年間の充電期間を経て、先日リリースされた奥華子の新しいアルバム「君と僕の道」。聴いてみて感じたのは、いい感じに肩の力が抜けた、等身大の彼女に近いアルバムだな、という印象だった。特に「ピリオド」と「10年」という曲は、初めて聴いた瞬間にぐっと胸に迫るものがあった。
暗い淵に佇むような曲もあれば、眩しさに目を細めたくなるような曲も、時を経ても変わらぬ絆をふりかえる曲も、傷だらけになりながらも前に進もうとする曲もある。そのどれもが、現時点での素の彼女自身から生まれた音楽だし、その曲たちを「今はこれでいいんだ」と彼女自身が肯定した上で、聴き手に差し出しているのがわかる気がする。それは、彼女自身があるがままの自分をポジティブな気持で捉え直したということでもあるのだろう。
今までに選んできた道が結果的に遠回りだったとしても、それを否定したり後悔したりする必要はない。大切なものを失った悲しみも、二度と立ち直れないと思えるほどの苦しみも、すべてはきっとこれからの道につながっていく。人間はしょっちゅう泣いたり笑ったり迷ったりしながら、それぞれの道を辿っていくのだと。
僕の道は、これからどこにつながっていくのかな。