昨日のクリスマスイブの夜、J-WAVEで毎年放送されている沢木耕太郎さんの番組「MIDNIGHT EXPRESS 天涯へ」を聴いていた。
この番組の中では、毎回何人かのリスナーと沢木さんが電話でやりとりするのが恒例になっている。その中で、就職活動中の大学生の男の子が「自分に自信を持つにはどうすればいいですか?」という質問をしていたのだが、沢木さんはそれにこんな風に答えていた。
「僕には、ある一点においてだけ自信を持って言えることがあります。それは、自分の仕事に関しては、絶対に手を抜かないでやってきたことです」
そうだよな、と思う。沢木さんはもちろんのこと、僕みたいな物書きのはしくれでも、もし手を抜いてしまったら、その結果は自分の名前と一緒にずっと残ってしまうのだ。自分の心の中で消えない呵責としても。
才能もセンスもアイデアもテクニックも、本当にきつい正念場では、自信のよりどころにはなってくれない。それまでに手を抜かずに丹念に積み重ねてきたものだけが、ほんのわずかな自信を持たせてくれる。
僕は、今まで自信らしい自信を持てたためしがないけど(苦笑)、これからも積み重ねていくことをあきらめないようにしようと思う。