先週末は本屋B&Bで、竹沢うるまさんとのトークイベントに出演した。少人数ではあるが、お客さんに集まっていただいて、配信とのダブル体制で。
人前に出て話をするのは、およそ2年ぶり。司会とかでなく自分自身の旅の話をしたのは、3年ぶりくらいだろうか。始まる直前まではそれなりに緊張したが、話し上手なうるまさんのおかげで、すーっと場になじめて、まずまず話せたような気もする。何より、去年出した『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』についてのトークイベントをようやく開催できたので、本当にほっとした。
ただ、コロナ禍に苛まれている世の中の状況は、世界も日本も、まだまだ厳しい。大阪はもはや緊急事態宣言発令待ったなしだし、東京も早晩似たような事態に陥ると思う(そうならない要素を探す方が難しい)。お客さんを集めてのイベントの開催は、またしばらくは難しくなるだろう。
かといって、Zoomなどの配信によるトークイベントで視聴者を集めるというのも、なかなか難しくなってきているように思う。先週のトークイベントは、うるまさんのおかげもあって、それなりに採算の取れる形で成功したのだが、同じかそれ以上の結果を出し続けるのは、企画や人選でよほど工夫しないかぎり、無理だと思う。長引くコロナ禍で、世間の人たちはみな、リモート画面で見る世界にもう飽き飽きしているからだ。
こういうややこしい時代に、いったい、何をどうすれば、自分が伝えたいことを、一番良い形で伝えられるのだろう?
そう考えていくと、とてもシンプルな答えに行き当たった。本だ。本という存在が、ある意味、一番良い選択肢なんじゃないか。それを読みたい人のもとに届けられれば、いつまでもずっとそのかたわらに寄り添って、ページをめくられるのを待っていてくれる。自分はこれまでの人生の中で、そういう本をつくるという仕事を、ずっとしてきたんじゃないか。
今こそ、読むに足る価値を持つ本を、つくるべき時だ。やり抜こう。めちゃめちゃ忙しいけど、がんばろう。