朝、取材のため、早稲田の戸山キャンパスへ。地下鉄の駅から地上に出ると、何だかやけに人が多い。袴姿の女の子が多いのを見ると、どうやら卒業式のようだ。一学年の人数が多すぎるので、何回かに分けてやっているらしい。
僕自身もこの戸山キャンパスに通っていた人間なのだが、卒業式には、結局出なかった。当時雑誌の編集部でやっていたバイトにかこつけて、サボったというのが正しい。
なんで卒業式に出なかったのかというと‥‥何かしらの研究で成果を上げて、清々しい達成感を感じながら卒業の日を迎えるというのとは、まったく程遠い学生生活だったからだと思う。最初からろくに講義にも出ず、就職活動を放棄したついでに自主留年して、バイトに明け暮れ、無鉄砲な旅に出て、ほうほうのていでやっとこさ単位を揃え‥‥書類上は卒業できる身分になっただけ、というのが僕の大学での日々だった。
そういうろくでもない学生生活を過ごしていると、こういうろくでもない人間が生成されるというわけだ(苦笑)。
ちなみに、卒業式で受け取らなかった卒業証書は、それから十年も経った後、突然大学から「取りに来てください」という督促状が来たので(苦笑)、一応、僕の手元にある。