八王子駅から北に少し歩き、浅川を越えると、加住丘陵という小高い丘がある。小宮公園という公園として管理されているこの場所には、コナラやクヌギを中心とした緑豊かな雑木林の中に木道が整備されていて、手軽に自然を味わえる散策コースになっている。気持のいい秋晴れの日、この加住丘陵をぶらぶらと歩いてきた。
小宮公園の中にあるいくつかの小道には、この地に棲む小鳥たちの名前が付けられている。こうした道案内の看板の一つひとつの佇まいが、何というか、とてもよい感じ。なごむ。
鬱蒼とした雑木林の中にある木道もほどよく整備されていて、歩きやすい。梢の間から、木漏れ日が射し込む。いろんな鳥の鳴き声が、至るところから響いてくる。思いがけないほど近い場所でさえずってくれたり。
花の類はほとんど見かけなかったが、ぽつんと咲いていた、りんどうの花。
北に歩いて、ひよどり山の上に出ると、丸っこい木々がぽつぽつと立ち並ぶ広場があった。青空と陽射しが、何とも言えず気持ちいい。あちこちに昼寝している人がいた。
木々の梢の先には、秋から冬へと移りゆく気配。
ここしばらく、極端に寒かったり暑かったりする土地ばかり歩き回っていたので(苦笑)、こんな風に秋晴れの空の下で、のんびりぶらぶらと丘陵を散策して、ちょうどいいリセットになった気がする。ほんのちょっと足を伸ばせば、東京にも、こんなのどかな場所があるのだな。