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目指せ、動ける身体


ひさしぶりの山歩き。このブログを遡ってみたら、前回は去年の10月だったから、一年以上ぶりか。歩いたコースは毎度おなじみ、陣馬山から高尾山までの縦走ルート。空は雲一つない快晴で、陣馬山の山頂からは、富士山がくっきりと見えた。

去年このコースを歩いた時は、四十肩によるブランクやら何やらで身体がかなりなまっていて、歩いていても割ときつかったのだが、今日はそんなにきつくもなく、のんびりした気分で歩けた。八月下旬までインド北部に滞在してた分の高地順応効果がまだ少し残っていたと思うし、四十肩完治後に復活させた自重筋トレで、各部の筋力がだいぶ戻ってきているのもその要因だと思う。

とはいえ、小刻みなアップダウンの尾根道を何時間か歩いていると、筋トレだけでは鍛えることができていなかった足腰の細かい筋肉、たとえば足の裏とか、そういう部分に疲労がじわじわ溜まっていくのはわかった。こればっかりは、普段の生活の中での筋トレだけではどうにもならないので、もう少し山歩きの頻度を上げるとかしなければ、と思う。動ける身体を維持するのも、いろいろ大変だ。特に体力下り坂のおっさんにとっては。

目標は、海外取材でカメラザック担いで走り回っても、へこたれない身体を維持すること。地道にやっていこう。

「アラスカの無人島で過ごした四日間」

以前、「バター茶の味について思い巡らすこと」というエッセイを執筆した金子書房のnoteに、新しいエッセイを寄稿しました。「アラスカの無人島で過ごした四日間」という文章です。同社noteで組まれている「孤独の理解」という特集のテーマに沿う形で執筆しました。

よかったら、読んでみていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

ハウィーのこと


アラスカのカリブー・ロッジの愛すべき黒犬、ハウィーが、虹の橋を渡ったという報せが届いた。

カリブー・ロッジには、2017年の3月と、2018年の8月に、それぞれ数日ずつ滞在したことがある。最初に到着した日、一人でロッジ周辺の雪原の散歩に出かけた時、道案内をしてくれたのは、ハウィーだった。僕の10メートルほど前をぷらぷらと歩いて、立ち止まっては僕をふりかえる。僕の散歩につきあってくれていたのか、それとも、僕がハウィーの散歩にお供させてもらっていたのか。

初めて会った時から、まったく人見知りをしない犬だった。ラブラドール・レトリーバーとジャーマン・シェパードの混血だったハウィーは、僕がキャビンから外に出るたび、跳ねるように駆け寄ってきて、どすっと足元に体当たりして、頭をすりつけ、ウッドデッキに寝転がって、おなかをなでてくれとせがんだ。僕だけでなく、ほかのどの客に対しても。本当に、人なつこい犬だった。

ハウィーは、賢い犬でもあった。ベアー・ポイントという小高い丘の上まで、スノーシューを履いて登った時、頂上の近くに、純白の雷鳥の群れがいた。ハウィーの飼い主でカリブー・ロッジのオーナーでもあるジョーが、「ハウィー、待て」と小声で言うと、ハウィーは僕たち二人の後ろに下がって、吠えも動きもせず、僕が雷鳥の写真を撮り終えるまで、じっと待っていてくれた。

いつかまた、カリブー・ロッジに行きたい。ハウィーにまた会いたい。そう思いながらも、コロナ禍で身動きができないままでいるうちに、ハウィーにはもう、会えなくなってしまった。どうしようもなく寂しいけれど、ハウィーはきっと、ジョーやザック、彼らの家族たちに見守られて、穏やかに旅立っていったのだと思う。

さよなら、ハウィー。本当に、ありがとう。

ひさしぶりの山歩き

昨日は超ひさしぶりに、軽めの山歩きに行った。おなじみの陣馬山から高尾山までの縦走ルート。一昨日の雨がまだ地面に残っていて、ぬかるみが多くて少し神経を使ったが、暑くもなく寒くもない、ちょうどいい気候で、いい気分転換になった。

山歩きに行ったのは、去年の12月以来。コロナ禍もあったし、春先からの四十肩の症状もあったしで、ずいぶん間隔が空いてしまった。四十肩のせいで自宅での自重筋トレもあまりできてなかったので、身体はかなりなまってしまっていた。何度も歩いているルートだから、感覚の違いは自分でもわかるし、途中々々の所要時間(ぬかるみで余分にかかるにせよ)にもなまり具合は表れていた。

これから寒くなると、マスクでメガネが曇りやすくなるので、マスクをつけての山歩きはしばらく難しくなる。平地で歩数を稼ぎつつ、自重筋トレも肩の具合を見つつ少しずつ復活させていこうと思う。やっぱり身体は、動ける状態の方がいい。

『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』

『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』
文・写真:山本高樹
価格:本体1300円+税
発行:産業編集センター
B6変形判344ページ(カラー16ページ)
ISBN978-4-8631-1302-2

2021年6月中旬に、新刊を上梓することになりました。『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』から『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』までの間に横たわる、ラダック、ザンスカール、スピティで過ごした十年余りの旅の日々を、一冊に凝縮してまとめ上げました。これまで詳しい内容を発表していなかった各地でのトレッキングの記録をはじめ、十年間という歳月を積み重ねてきたからこそ書くことのできた、濃密な内容になったと思います。

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