ここ数日、「撮り・旅!」の件で、都心の書店回りを続けている。新宿、池袋、渋谷、丸の内、神保町、吉祥寺‥‥。炎天下の中、汗を拭いつつ、ふうふう言いながら歩き回っている。
著者や編集者による書店営業は、出版社によってはあまり快く受け取られないふしがある。本を売ることについては版元に任せてほしい、という考えなのだろう。今度の本の出版社では別に悪く思われてはいないようだが、営業担当の方に同行して書店を回るという申し出は、やんわり断られた。まあ、邪魔だよね(苦笑)。他に山ほど担当の刊行物があるわけだし。なので、僕は一人で回っている。
今回の本では、販促用のポップを印刷して、それを各書店に配って回るという戦略を僕の方から提案した。たとえば、ある書店に5冊ほど配本されていたとして、それらが最初から棚差しにされているか、それとも面陳や平積みにされてポップが添えられているかでは、お客さんを惹き付ける力に、天と地ほどの差がある。そしてそれは、著者や編集者が直接書店に挨拶に伺って、本の内容をきちんと説明し、ポップを手渡すことで、ひっくり返すことができるはずの差なのだ。
広大な水田に、苗を一本々々、手で植え付けていくような、地味で気の遠くなる作業かもしれない。立ち枯れてしまう苗も多いかもしれない。でも、いくつかの苗は、きっと実りをもたらしてくれるはずだ。
さて、明日もがんばろ。