フリーライターとして身を守るための6つのアドバイス

確か一年くらい前に、「フリーライターを目指す人への8つのアドバイス」という記事をこのブログで書いた。自分自身、ライターとしてのスキルは未だにまだまだだし、文章術などについてわかったようなことは何も言えないのだが、フリーの編集者・ライターとしてかろうじて生き延びてきた経験上、仕事の中で自分の身を守る術については、多少の蓄積はあるかもしれない。思い当たることを、いくつか書いてみる。

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・依頼を受ける前に、原稿料の金額を確認しておく
最初から原稿料の話をするのは相手にがめつい印象を与えるかも、と思っている人もいるかもしれないが、そんなことは全然気にしなくていい。原稿料の金額について聞くことは、まったく悪いことではないし、ちゃんとしたクライアントなら、必ず最初にその話をしてくれるはず。はっきり金額を伝えてくれなかったり、「いくらだったら受けられますか?」とこちらの腹を探るようなことを言ったりするクライアントの場合は、ちょっと気をつけるべきだ。

・何を取材し、何を書くか、できるだけ細かく確認しておく
依頼を引き受ける場合、何について取材して、どんな方向性の記事を書いてほしいとクライアントが思っているのか、その時点で可能なかぎり細かく確認しておく。ざっくりしたテーマでの依頼だったとしても、「たとえばどんなことについて書くといいですか?」と、手がかりになりそうなポイントを聞き出しておく。ここを事前にしっかり押さえておくと、原稿の質の向上とは別に、のちのち役に立つことがある。

・無理なスケジュールを提示されたら、正直に無理と答える
取材や執筆に必要な作業量に対して、〆切までのスケジュールがあまりにもきつい場合、何も言わずに無理して引き受けてしまわず、「ちょっと厳しいんですけど‥‥」と正直に伝えた方がいい。そこで多少の融通が利く場合もある。ただ、クライアントが本当に困り果てていて、こちらの多少の無理で何とかなりそうな状況ならば、一肌脱いで引き受けてあげて、信頼関係を築くのもいいかもしれない。

・〆切は守るべきだが、必要以上に早めない方がいい
いったん約束した〆切を守るのはフリーライターとしては基本だが、自分の能力をアピールしようとして、〆切よりもかなり早く原稿を納品したりするのは、「そんなにあっさり書けちゃうんだ」といろいろ変な誤解を与えてしまって次から無茶ぶりされるかもしれないので、やめておいた方が無難。〆切までの時間を有効に使って、じっくり推敲して原稿の精度を上げてから納品する方がいいと思う。

・落ち度がないのに大幅な書き直しを要求されたら、無料での対応は断る
納品した原稿をクライアントが読んで修正指示を入れてきたら、多少の修正ならすぐに対応する。ただ時には、原稿の大半を書き直さなければならないような要求をされる場合がある。それが明らかに文章のクオリティの低さが原因なのであれば、書き直さなければならない。しかし、執筆前にあらかじめ細かく確認しておいたポイントを踏まえて書いているのに、それとはまったく違う方向にしろというような修正指示が入っているのであれば、無料での対応は基本的には断るべきだ。こちらは最初に確認した指示通りに書いたこと、それとは違う方向での書き直しには追加料金を設定せざるを得ないことを、できるだけ丁寧に説明する。さもないと、気まぐれな修正指示による無意味な書き直しを、際限なく強いられてしまうかもしれない。

・納得のいかない形に改変されそうな場合は、自分の名前を外してもらう
いろいろあっても、最終的にその原稿をどのような形で使うかは、クライアントが決定権を持っている。時にはクライアントの都合で、書き手の本意ではない形に原稿が改変されてしまう場合もあるかもしれない。それに対してライターは意見を言うことはできるが、それを強要することはもちろんできないから、我慢するしかない。ただ、もしそれがライターの名前も入るような記事なら、「すみませんが、自分の名前は出さないでください」と言うことはできる。納得のいかない記事に自分の名前が載ってしまうのは、世間に対してマイナスでしかない。

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‥‥どうかな? あんまり身を守れてない感じだな‥‥(苦笑)。フリーライターは弱い立場の職業なんだなと、あらためて思う。

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