自宅で仕事に使うMacを四年ぶりに買い替えた。使いはじめて三週間ほど経ち、いろいろ落ち着いてきたので、使用感などについてまとめてみようと思う。
新しく導入したのは、2013年秋に発売されたMacBook Pro Retinaディスプレイ15インチモデル(2.3GHzクアッドコアIntel Core i7、メモリ16GB、SSD512GB、キーボードをアップルストアでUS配列にカスタマイズ)。ほぼ同時に、通信&バックアップ環境も2013年6月に発売されたTime Capsule 2TBに入れ替えた。
前に使っていた2009年モデルのMacBook ProからTime Capsule経由でデータを移行した直後は、スリープ時にTime Machineバックアップがうまく動作せず、Mac側でTime Capsuleの認識が外れてしまう謎の現象が起こったのだが、アップルのサポートのアドバイスで、Time Capsuleの初期化と省エネルギー設定の変更(「Wi-Fiネットワークアクセスによるスリープ解除」のチェックボックスを外す)をしたところ、それも解消。今は何の問題もなく、快適に使えている。
今回Macを買い替えた一番の動機は、今後仕事で導入する予定の高画素フルサイズのカメラで撮影した写真データを、ストレスなく扱える作業環境を整えたかったから。15インチで2880×1800ピクセルのRetinaディスプレイは圧倒的な高精細さで、印刷物かそれ以上に感じられる。写真のオリジナルデータを表示しても、細かなディテールまできっちり把握できるので、作業しやすい。画面が高精細すぎるため、Webの閲覧時はほとんどのサイトの画像がもやっと見えてしまうのだが、面白いもので、しばらく使ってるうちに「Webの画像はそう見えるものなんだ」みたいな感じで、なんとなく慣れてしまった(笑)。
前のMacよりCPUやGPUが高速化しているのは当然として、ストレージがSSDだとこんなに快適なのかと、その差にびっくりした。起動や表示、読み込み、保存など、あらゆる作業が速い。以前はうんざりするほどトロく感じられたPhotoshopやiPhotoが、まるでテキストエディタみたいにスパッと起動して、軽やかに動く。そしてこのMacは、ものすごく静か。ハードディスクではないからあの耳障りな回転音はしないし、ファンは一応回ってるようなのだが、特殊な設計だからか何も聞こえない。発熱もあまりしないようで、ダッシュボードウィジェットのiStat Proで内部の温度をチェックしても、普通に使ってる分にはせいぜい30℃前後だ。HaswellアーキテクチャのCPUとOS X Mavericksの組み合わせによる省エネ効果も大きいのだろう。
このMacBook Pro RetinaとTime Capsuleはどちらも802.11acという従来より高速なWi-Fiの規格に対応している。ただ、多くの場合、普通にセットアップしただけでは、この802.11acの恩恵を十分に受けられないようだ。AirMacユーティリティでTime Capsuleの設定の「編集」→「ワイヤレス」→「ワイヤレスオプション」の「5GHzネットワーク名」ボックスにチェックを入れ、5GHz帯のネットワークを設定すると、WebブラウズやTime Machineバックアップなどがその差を体感できるほど速くなる。オプションキーを押しながらメニューバーのWi-Fi項目をチェックすると転送レートなどの詳細が表示されるのだが、実際に最初の設定と比べても、明らかに高速化されていた。
高精細で見やすい画面、静かで発熱も少なく、何をするにもサクサク動く。あまりにもノーストレスなので、その存在を時に忘れてしまいそうになる(笑)。このMacBook Pro Retinaはそれくらい快適な一台だ。大事に使って、これからの仕事に活かしていこうと思う。