幸せな本

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々」が発売されてから、今日で丸二年になる。売り上げ的には、まあ、そこそこという感じなのだけれど(笑)、今もたくさんの人に読んでいただいていることを、本当にうれしく思っている。

あの本は、間違いなく、僕の人生を変えた。生まれて初めて、自分が心の底から書きたいと思えるテーマに挑むことができた。現地取材に取り組んでいく過程で、ラダックでも、日本でも、本当にたくさんの人々が自分を支えてくれていると実感した。そして、本というものは、読者の方々の手に渡り、その心の中にそっと入り込んで、初めて生命を持つのだと知った。書き手にとって、幸せな一冊になったと思う。

自分にとって大切なことを、本に託して、届けていく。ささやかなことかもしれないけれど、これからも、そういう仕事を積み重ねていきたい。

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