写真と演出

ここ数年のことだと思うのだが、世界各地の辺境に暮らす少数民族に民族衣装を着てもらって、完璧な構図とポージングで撮影した写真が結構たくさん世の中に出回るようになった。貴重な資料のポートレート写真として価値のあるものもたくさんあるが、その一方で、ちょっとカッコよく演出しすぎてしまっているものも少なくないと思う。

個人的には、いわゆるドキュメンタリー写真として世に出されているもので、ひと目見た時に「あ、これ、このへんをこう演出してるな」とわかってしまう写真は、正直言って苦手だ。あまりにも完璧な構図、あまりにもできすぎた雰囲気。そこに撮り手の作為や演出があることがわかると、一気に冷めてしまう。

その撮り手が伝えたかったことは何なのだろう。完璧な構図の美しい写真なのか、それともその場所で出会ったありのままの風景や人々や出来事なのか。僕は、完璧に演出されて隅々まで調整された美しい写真よりも、撮り手の感じたありのままの生の思いがぎゅっと込められた写真を見たい。

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