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知らない町へ

午後、中央線に乗って、西へ。八王子で横浜線に乗り換え、十日市場という駅で降りる。今まで聞いたことのない場所。今日はここにある大学で取材。

駅から取材先まで、バスに乗っていこうかと思ったが、グーグルマップを見ると歩けなくもなさそうだったので、てくてく歩く。学校帰りの子供や学生さんが多い。明るくて感じのいい雰囲気の住宅街や集合住宅。自然も割と残っていて、ゆるやかな空気が漂っている。こんな町があったのか、と歩いていて何だか楽しくなる。

取材はどうにかつつがなく終え、帰りはバスで駅へ。八王子までの電車は混んでて席に座れず、腹が減ったので、八王子で駅を出てラーメンを食べた。片道2時間近くの道程はさすがに遠い。今日の行き帰りで、来月の取材資料に買った新書を一冊、最初から最後まで読み終えてしまうほどだった。

来週明けにももう一回、まったく同じ道程の旅をすることになっている。

ちゃんとやろうよ

夕方、あるWeb媒体のライターの方から、電話で取材を受ける。今、リトスタでやっている写真展について。

正直言って、さんざんな取材だった。

まず、17時過ぎに電話をかけるとメールを送ってきていたのに、1時間経っても電話は鳴らず、遅れている旨の連絡も来ない。晩飯と買い物に外に出なければならないのでその旨メールをこちらから入れ、帰宅したところに、ようやく電話がかかってきた。

相手からの質問は、最初から妙にちぐはぐだった。「展示内容を入れ替えられるとのことなので、そのお話を……」というが、入れ替えるタイミングはまだ半月も先だし、そのWeb媒体では写真展を開始しているという話もまだ伝えてないのに、なぜいきなり入れ替えの話を取材するのか、意味がわからない。そもそもこの人、写真展自体を一度も見ていないのだ。

「写真展の内容についてはどのくらいご存じですか?」と聞くと、「Webに載っている写真展の情報は見ました」という。「じゃ、そもそもラダックがどこの何なのか、ご存じですか?」と聞くと、「すみません、その辺はまったく……」と。もちろん僕がこの間出したラダックの本のことも、まったく調べていない。あきれてものが言えなかった。僕だけでなく、リトスタというお店に対しても失礼だろうに。

ライターや記者が何事かについて誰かに取材をする場合、ある程度の下調べをしておくことは、仕事のクオリティを確保するためなのはもちろん、取材に時間を割いてくれる相手に対する最低限の誠意とマナーでもある。そういう最低限の準備さえ端折ってしまうと、取材される相手は、自分が軽く扱われているということに簡単に気付く。そしてその取材は間違いなく失敗して、誰も喜ばない結果に行き着く。

ほんとにね。ちゃんとやろうよ、プロならプロらしく。

誰かの人生の隙間に

昨日と今日は、少しひさしぶりに、午後から夕方までの間、写真展の会場に在廊。カウンターでMacBook Airを開いて、むつかしい顔をしながら原稿を書いていたので、ちょっと近寄りがたい雰囲気も出てたかもしれない。そんなんじゃ在廊する意味がないか(苦笑)。

写真展を見に来てくださった方から、こんな話を聞いた。インドの旅から帰ってきた後、おなかの具合が悪くなって一週間くらい寝込んでいた時、アマゾンで買った僕の本を寝床でめくって読んでいたのだ、と。

本というものは、時に思いがけない形で、誰かの人生の隙間に、そっと差し込まれる。部屋の本棚のほんのちょっとした隙間に、一冊の本が差し込まれるように。だから僕は、この仕事を続けていられるのだと思う。

しんどい日々

一昨日は、朝5時起きで家を出て、雨の中を電車とバスを乗り継いで八王子方面へ。取材を終わらせた後、今度は八王子から新宿まで移動し、そこから渋谷、代官山と書店さんへのご挨拶に回り、来月のイベントの打ち合わせ。

昨日は、横浜からさらに先の場所にある女子大で取材2本録り。終わった後に御徒町まで移動し、夜は来週末のイベント会場の視察と打ち合わせ。

そして今日は、またしても冷たい雨の中を、朝から有明方面へ。取材3本録り。列車は遅れるし、ずっと頭痛はしてるし、おひるに食べたカレーは正直まずかったしで、いろいろツイてなかった。家に帰ってから頭痛薬を飲んで、2時間ほど仮眠。起きてみると、仕事のメールの山。やれやれである。

こういう感じのしんどい日々が、たぶん、もうしばらく続く。

まさかの誤認

午後、淵野辺にある大学で取材。三鷹からでも結構遠い上に、電車の本数もあまり多くないので、行き帰りに時間がかかる。取材自体も、想定外の展開でいつもの3倍くらい時間がかかってしまい、終わった頃には疲れ果ててよれよれだった。

大学のキャンパスを出て、腹が減ったのでコンビニでソーセージパンを買い、もぐもぐ頬張りながら駅への歩道を歩いていると、道端に立っていた学生さんからサークルの新歓のチラシを渡されそうになった。いや、さすがにないでしょそれは。こんなおっさんに。見ればわかりそうなもんだろうに。

いい年こいたおっさんなのに、未だに落ち着きも相応の風格も備わっていないことが露呈してしまった。嗚呼。