二十代の頃から、僕はあっちこっちの国をふらふらと旅してきた。そういう話を人にした時、「あ、じゃあヤマタカさんは、バックパッカーなんですね!」と言われたりすると、ちょっともじもじした気分になる。
そもそも僕は、自分はバックパッカーなのだと意識したことがほとんどない。バックパッカーって、何なのだろう? 世の中には、それが何か特別な存在であるかのように定義する人もいる。でも、僕からしてみれば、バックパッカーというのは「荷物をバックパックに詰めて、主に海外を旅している人」というくらいにしか思えない。強いて付け加えるなら、「パッケージツアーを利用せず、主に自分自身の力で手配をして旅している人」くらいだろうか。
バックパッカーになって旅をすること自体は、別に特別でも何でもない。それで誰かを助けたり、何かを生み出したりしているわけではないのだから。旅を通じて得た経験を、誰かのために役立てることができるかどうかは、その後のその人の生き方次第。すっかり無駄にしている人も、もしかしたらいるのかもしれない。僕自身、その経験を今に活かせているかどうか、自信はないけど。
だから僕は、「ヤマタカさんって、バックパッカーなんですね!」と言われたら、否定してしまうわけにもいかないので、「あ、そんな大層なもんじゃないんで、ほんとすみません」と謝ることにしている(苦笑)。
イランの映画監督アミール・ナデリが日本で撮った作品が公開されると聞いて、これはスクリーンで観なければ、と前々から思っていた。2012年、僕が最初に観た映画が、この「