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エベレスト盛り

何が何でも、豚肉のしょうが焼きが食べたい。今日はなぜかそんな気分だった。

スーパーでそれ用の豚バラ肉を買ってきて、しょうがをおろし、タレを作って肉を漬け込む。その間につけあわせ用のキャベツを千切りに。中途半端に残っていたので、えいやっと全部刻むと、何だかすごい量に。皿にうずたかく盛りつけたら、文字通り山のようになってしまった。

聞けば今日、三浦雄一郎さんが80歳にしてエベレストに無事登頂したとのこと。ええい。その記念だ。豚肉のしょうが焼き、キャベツエベレスト盛り。肉もキャベツもおいしくいただいた。満足。

「シュガーマン 奇跡に愛された男」

「シュガーマン 奇跡に愛された男」

1970年代初めにデビューしたデトロイト生まれのミュージシャン、ロドリゲス。当時のアメリカ社会をリアルに捉えた歌詞と音楽性から、ボブ・ディランとも比較されるほど将来を嘱望されていたが、発売した二枚のアルバムは、セールス的には惨敗。レコード会社との契約も打ち切られ、ロドリゲスは表舞台から姿を消す。しかし彼のアルバムは、なぜか遠く離れた南アフリカで、アパルトヘイトに抵抗する若者たちの思いを代弁する音楽として大ヒット。それから数十年後、南アフリカのロドリゲスのファンたちは、死亡説も囁かれていた彼の消息を辿りはじめる‥‥。

シュガーマン 奇跡に愛された男」は、文字通り、嘘のような本当の話を題材にした、爽快なドキュメンタリー・ムービーだった。南アフリカのファンたちがロドリゲスを探し当てた後に起こった奇跡のような展開はもちろん感動的だったけれど、個人的には、彼の娘たちが語ってくれた、表舞台から降りた後のロドリゲスの人生の物語に胸を衝き動かされた。本当に実直に、誠実に、淡々と積み上げていった人生。南アフリカでのフィナーレは、道を踏み外すことなく丁寧に生き続けた彼が当然報いられるべき結果だったのだと思う。

この世界には、こんな人がいるのだな。捨てたもんじゃない。

ただそこに在る音

先日たまたま見つけて購入したCD「Tibet: Les Chants De L’exil – Songs From Exile」が非常に素晴らしく、すっかり惚れ込んでしまったので、同じくボリス・ルロンの録音による前作「PHILIPPINES: Femmes artistes du lac sebu – Women artists of Lake Sebu」を手に入れた。この手のCDは、アマゾン経由でさえ入手に数週間かかる‥‥。

フィリピン・ミンダナオ島のセブ湖周辺に暮らす先住民族、ティボリ族の女性たちが奏でる音楽。歌声、リュート、口琴、鐘、その他たくさんの民族楽器が紡ぎ出す音色に、森を渡る風、鳥のさえずり、蛙や虫の鳴き声、ぱちゃぱちゃと跳ねる水音、村の子供たちの歓声が入り混じる。ただそこに在る音。それが、どうしてこんなに心地よいのだろう。

この地球の上に、この素晴らしい音楽が奏でられている場所が、確かにある。そう想像するだけで、心がふっと軽くなる気がする。

極端な振れ幅

朝から都心へ。代官山蔦屋書店で開催された、ブータン写真家の関さんのトラベルコーヒートークに顔を出す。たくさんの人が来て盛り上がっていたので、よかった。終わった後、森本さんや関さんたちと近場でランチ。ひとしきり旅の話で盛り上がる。

みなさんと別れた後、雨がぱらつく中を渋谷のマメヒコへ。深煎りコーヒーをポットで、それと檸檬ケーキ。しばし本を読む。その後、夕方、早稲田に移動して取材。最先端のロボット技術や宇宙開発についての話などを伺う。

旅とブータン、ロボットと宇宙開発。一日のうちに同じ人間が理解するには、振れ幅が極端すぎる(笑)。

「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」

「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」

今日は取材に行く予定が先方の都合でキャンセルになったので、先日封切られたインド映画「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」を観に行くことにした。シネマライズは火曜がサービスデーらしく、1000円。ラッキー。

オーム・シャンティ・オーム」を観るのは、これが二度目。最初に観たのは、ラダックで長期滞在していた頃、ノルブリンカ・ゲストハウスの台所にある小さなテレビでだった。僕はヒンディー語がほとんどわからなかったし、英語字幕もなかったのだが、それでもストーリーがまるっと理解できてしまうくらい、この映画は単純明快でわかりやすい。ただ、日本語字幕がついたことで、前半の台詞に張られた伏線が理解できて、いろいろ腑に落ちたのはよかった。

もはや説明不要のボリウッドのスーパースター、シャールク・カーンは、安定感抜群のエンターティナーぶりを発揮しているし、この作品がデビューとなったヒロイン、ディーピカー・パードゥコーンの燦然と輝く美しさには、客席の女性たちからもため息が漏れていたほどだった。華やかで、可笑しくて、大げさで、切なくて‥‥そして観終わった後、ものすごくすっきりして気持いい。まさにイマドキの正統派ボリウッド娯楽映画だと思う。

自分でも可笑しかったのが、この映画を観ていて、やけに気分が落ち着くというか、ホームゲームのような居心地のよさを感じたということ。何なんだろう、この安心感は(笑)。インドとラダックで過ごした穏やかな日々を、どこか思い出していたのかもしれない。