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あっけない登頂

ここのところ静かになったと思っていたら、今朝、また道路工事のドリルの音で目が覚めた。今日は、僕の部屋の窓のほぼ真正面。音と振動で、もう何もできない(泣)。

彼らの昼休みの間にそそくさと仕事を進め、午後半ばに再びうるさくなってきたところで、いったん休止。スーパーに晩飯の食材を買いに行き、ついでにコンビニで立ち読みして時間を潰す。何で俺がこんな目に‥‥。

夕方、ドリルが轟く中で早めに晩飯をすませ、風呂に入った頃になって、ようやく静かになった。執筆再開。しばらくゴリゴリと書き進め、情報を整理して‥‥。あれ? 次のページは?

気がつけば、最後のページまで到達していた。あっけない登頂。本格的に書きはじめて、約二カ月。データを合わせて数えてみたら、11万字ちょっと。ふー。やれやれ。

まあでも、この後、最初から最後まで推敲して、全体のトーンや表記を統一したり、不用意にだぶってる表現を調整したり、いろいろ手直しをしなければならない。まだまだこれからだ。

とりあえず、明日は気晴らしに、ぶらっと都心に出かけてこよう。

本づくりに必要なもの

僕はこれまでに何冊か本を書いているけれど、本を出すまでのパターンには、おおむね二通りある。

一つは、出版社の知己の編集者さんから「こういう企画があるんだけど」と執筆を打診されるパターン。具体的なコンセプトが固まっている場合もあれば、ざっくりしたお題だけを振られる場合もあるし、前に雑談レベルで僕が話した内容が先方で企画化されて戻ってくる場合もある。このパターンでは、執筆を引き受けた後、僕の方で細かい構成案を組み、編集者さんと擦り合わせを行い、ゴリゴリと書き進めていく。「いちばんわかりやすい電子書籍の本」「人が集まるブログの始め方」「広告マーケティング力」といった実用系の本がこのパターンに含まれる。

もう一つは、僕自身が企画を作り、出版社に持ち込んで採用してもらってから本を作るパターン。「ラダックの風息」と「リトルスターレストランのつくりかた。」、そして今作っているラダックのガイドブックがこれに当てはまる。僕は基本的にひねくれ者なので(苦笑)、ラダックについての本のように、普通の人の発想だと採用されるのがちょっと無理めなテーマでも、あえて企画化して持ち込む。だって、それが書きたいんだから。昨日のエントリーにもつながるけど、僕自身も、ものすごく個人的な動機で本を書いている。

この間、ガイドブックの担当編集者さんと話をしていた時、「山本さんがあの時、すごく熱心にプレゼンしてくれたから、この企画は通ったんです。そういう熱意が、本づくりには一番大切なんだと思いますよ」と言われた。熱意はあっても、最低限の実力と周到な準備が伴っていなければ、いい本を作ることはできない。でも、何もかもを揃えた上で、最後の最後に必要なのは、やはり熱意なのだと思う。個人的な動機を、意地でも貫き通す熱意が。

そうして作られた本は、必ずしも万人に受け入れられる本にはならないのかもしれない。でも、その熱意こそが、本に魂を宿すのだと、僕は今も信じている。

スペシャリストの矜持

かれこれ十年以上、フリーランスで編集とライティング、最近はたまに写真の仕事をしているけれど、ここ数年、各社から支払調書が届く時期になってあらためて思うのは、「ギャラの相場、下がったなあ‥‥」ということ(苦笑)。

言い訳すると、これは別に僕に限ったことではなくて、世の中のライターやフォトグラファー全般に共通する状況だと思う。業種や人によると思うが、たぶん、三、四割は下がっているのではないだろうか。どんよりと回復の兆しすら見えない出版不況が続いているとはいえ、適正価格というにはあまりにも安すぎる。同業者の友人は、先日、1ページあたりの原稿料にコンビニの時給並みの金額を提示され、さすがに断ったらしい。そりゃそうだ。

パソコンがあれば誰でも原稿は書けるし、カメラがあれば誰でも写真は撮れる。でも、僕たちが書く原稿、僕たちが撮る写真は、誰にでも生み出せるものではない。少なくとも、僕たちがそういうスペシャリストとしての矜持を持ち続けなければ、本や雑誌という存在そのものが、根腐れしてダメになってしまう。

スペシャリストをナメんなよ、ということで、関係各社の方々、よろしく。

店長おまかせコース

昨日は、昼過ぎに蒲田まで出かけて打ち合わせ。あるフォトグラファーの方に、今作っているガイドブックに必要な寺の写真(今は内部の撮影が禁止されている)をお借りするため。幸い、望んだイメージのカットを使わせてもらえることになって、ひと安心。その後夕方まで、編集者さんと細々とした打ち合わせ。いろいろ決まった。発売日まで決まった‥‥。時間がない。がんばらねば。

夜は三鷹のリトスタで、たかしまてつをさんと中村文を囲んで、ナロの写真展を愛でる宴。今回は「店長おまかせコース」というコースメニューにしたのだが、前菜からメインまで、全員に行き渡る分の料理がとんとんと出てくるので、とても楽だった。かきと豆腐のあんかけ煮や鶏の唐揚げが、どーん!と大皿で出てくると、それだけで全員かなりテンションアップ(笑)。普段は出ない生春巻や鮭のちらし寿司といったメニューも出てきて、みんな満足、満腹。いい宴だった。

ある程度の大人数なら、店長おまかせコース、狙い目かも。

ビール徒然

ビールが好きだ。いろんな種類の酒の中でどれか一つ選べと言われたら、迷わずビールを選ぶと思う。飲み会の時も、最初から最後まで、だいたいビールで通すことが多い。

理由はいくつかあると思う。料理と一緒に飲むとうまい場合が多いとか、悪酔いしにくいとか。まあでも、最初の一口をごきゅっ、とやった時の、あの爽快感というか、カタルシスというか、それが一番の理由かな。日がな一日、コツコツと原稿を書き続けて、その日のノルマを達成した後に、ぷしゅっ、ごきゅっ。いやはや、生きててよかった。

ていうか、一日の終わりにビールが待っててくれなかったら、仕事なんてやってられない!(笑)