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対岸は見えるか

今朝は五時起きで、列車に乗って海浜幕張方面へ。先方の手違いで、最初に取材するはずの人が来ていないというハプニングがあって焦ったが、取材の順番を入れ替えたりして、どうにか事なきを得る。またここまで来てと言われても困るし(苦笑)。

空は雨模様。帰りの京葉線の車窓から、灰色に霞んだ海が見える。前にも書いたけれど、去年の秋からずっと続けている、自分の新しい本を出すための取り組みは、まるで、何も見えない霧の海に小舟で漕ぎ出すようなものだった。漕いで、漕いで、漕ぎ続けて‥‥ようやくうっすらと、対岸が見えてきたような気がする。

その岸辺に上陸できるかどうかはわからない。どうにも手に負えない岩場だらけで、今度こそあきらめるしかないかもしれない。それでも、ひと漕ぎもせずにあきらめるよりは、はるかに納得して、すっきりとあきらめられるような気もしている。

まずは、やれるところまで、やってみるだけだ。

アイスコーヒーの季節

今日は鷹の台で、朝イチから取材。午後からは新百合ケ丘で取材だ。

最初の取材を終えた後、次までちょっと時間があったので、いったん新宿まで出る。おひるにラーメンを食べ、ひさしぶりにらんぶるに入る。何気なくアイスコーヒーを注文して、ああ、もうそういう季節になったんだな、とあらためて気付く。

午後の取材二件もどうにかこうにか無事に終え、帰りは下北沢で小田急線から井の頭線に乗り換え。東北沢、下北沢、世田谷代田のあたりで、今日の深夜に地下化作業が行われるらしい。日本の技術力、こういうところは異様にすごい。

吉祥寺で電車を降り、リトルスパイスでブナカレーを食べ、よろよろしながら歩いて帰る。疲れた。昔に比べて、疲労耐性がなくなったな。やれやれ。

一年前に書いた記事

午後、取材のため、電車に乗って江古田方面へ。

今日の取材先は、ちょうど一年前にも取材したことがある。先方の担当の方は「去年もいらした方ですよね?」と、僕のことを憶えていた。依頼元の営業の方によると、一年前に書いた僕の記事を、先方がかなり気に入ってくれていたのだという。この案件の場合、そういうリアクションはなかなか知る機会がないし、多分にリップサービスも含まれているとは思うのだが、それでも、何だかほんのりと嬉しかった。

少なくとも、僕の仕事は、ザルに水を注ぎ込んでいるわけではないのだ、と。

本とブログの間を埋めるもの

最近考えていることを、まとまりのないまま、つらつらと書いてみる。

僕は、文章を書いたり写真を撮ったりして、それで本を作って世に送り出すことを仕事にしている。本以外では、ブログやSNSなどを使ったWeb上での情報発信もしている。僕の場合、本づくりとブログでの情報発信はまったく異質のもので、自分の中でもはっきりと区別している。ブログは、その時々の伝えたい情報や思うことを、わかりやすい形でタイミングよく発信していくためのもの。本は、自分が伝えたいことをきちんと突き詰め、徹底的に作り込んでいって、情報としても、モノとしても、ベストの形に仕上げ、ずっと後々まで残していくためのもの。そもそも、果たすべき役割がまったく違うのだ。

ただ、最近思うのは、この二つ以外の選択肢もあるんじゃないかな? ということ。ブログの気軽さと、本のモノとしてのよさとを併せ持ち、両者の間を埋めるような‥‥。最近、次第に注目されつつあるZINEやリトルプレスなどがそれに当たるのかもしれない。それで儲かるとはまったく思わないけれど、少なくとも赤字にならないような形で、ブログでも本でもない形の情報発信をすることの可能性は、検討する価値がある。実際、著名なフォトグラファーでもそうした取り組みをしている人はいるし。

一冊の本を仕上げるには、テーマによっては膨大な時間と手間がかかる。でも、その途上であっても、ブログ以外のきちんとまとまった形で情報を発信していくことはできる。来年以降の旅にまつわるプロジェクトは、もしかすると、そういう形になるかもしれない。

春の颶風

夕方、吉祥寺で取材。一件だけだったこともあって、割とスムーズに終了。駅前でささっとラーメンを食べ、足早に帰路につく。

今日は風がすごい。颶風といっていいくらいの荒っぽい風が、四方八方から吹き付ける。あちこちで、がらがら、どんがらがっしゃん、と何かが吹っ飛ばされてる音が響く。うっかり何かが飛んできて、頭にでも当たったら大変だ。外に長居は無用。

残念だったのは、近所の木蓮。一昨日くらいにようやく咲き揃ってきたのに、今日の風で、早くも花弁がぼとぼとと落ちはじめていた。こんな風に、春の嵐が幾度か過ぎて、季節はめぐっていくのだな。

今、部屋の窓の外で、雨音が聞こえはじめた。