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あと二カ月

台風が近づいてるからか、風が強く、やたら蒸し暑い。何もしなくても気力がそげていく。

終日、部屋で仕事。昨日取材した分の原稿に取り組む。夜までにはほぼ形になったが、明日からはまた、いくつか書かねばならない原稿がある。小さいながらも切れ間なく仕事が来るというのはありがたいことなのだが、「撮り・旅!」という難関を終えた後なので、正直、しばらくぼーっとしていたい気分なのも確か。

誰もいない湖のほとりで、一週間くらいテントを張って、歩き回って、写真を撮って、本を読んで、寝転んで空を見上げて‥‥。あと二カ月ほどしたら、たぶん、そんな日々が来る。

旅が好きで、本が好きで

昨日は夕方に青山へ。BOOK246で開催された贈本市の終了間際の時間にすべりこみ、トークイベントなどを拝見。その後、閉店後の店内で催されたパーティーに出席させていただく。

店内は、出版社の関係者や写真家さんやイラストレーターさんや、本当にいろんな方々でごったがえしていたのだが、何というか‥‥とてもいい空間だった。みんな、旅が好きで、本が好きで、そういうものを作ったり売ったりするのが好きで。難しいことを四の五の言わなくても、それでいいじゃん、と思える。

旅好きと本好きに愛されたあの店は、明日を最後になくなってしまう。いつかまた、どこかで、ああいう場所が生まれてほしいと思う。

増税とテント

終日、部屋で原稿に取り組む。ややこしい部分にさしかかったが、乗り越えないことには先がない。

気がつけば、三月も今日で終わり。明日からは消費税が8%に上がるらしい。巷では増税前の駆け込み需要でにぎわってる店もあるようだが、僕もご多分に漏れず、ちょっと前に増税に踊らされてきた(苦笑)。

一週間ほど前に注文して取り寄せたのは、アライテントのエアライズ2。フライシートはフォレストグリーン。テントの中では定番中の定番モデルらしい。ラダックでトレッキングをくりかえしていた頃からずっと目を付けてはいたのだが、何しろラダックでは知り合いがまあまあ具合のいいテントをいつも貸してくれていたので、ついつい購入を後回しにしてしまっていた。でも、今年の夏はアラスカで一週間キャンプを張るからどのみち必要になるので、増税前に決断したというわけ。

実際に手に取ってびっくりしたのは、その軽さと嵩の小ささ。最近のテントってこんなにコンパクトで軽いのか‥‥。ラダックの知り合いには悪いけど、あっちで借りてたテントの半分くらいの重さという印象。これよりさらに軽い最先端モデルとかもあるんだろうな。素材と技術の進化ってすごい。

しかし、テントを手に入れたはいいものの、屋外はもちろん、部屋の中でも展開してみる暇がないほど、今は仕事に追いまくられているのであった。シームコートも塗らなきゃならないのに‥‥やれやれ。

「亀時間 鎌倉の宿から生まれるつながりの環」

「亀時間 鎌倉の宿から生まれるつながりの環」鎌倉の材木座にある古民家ゲストハウス「亀時間」。僕はまだ泊まらせてもらったことはないのだが、今までに二度、足を運んでいる。それは、この場所で年に一度開催されている「旅人バザール」というフリマイベントの時。そのうち最初の訪問では、僕自身がそのフリマの出展者という立場だった。

その時の僕は、歴史のある建物に隅々まで丁寧に手を入れて心地いい空間を作り上げたオーナーのマサさんやスタッフの方々の誠実さと、材木座の街並や人々、海や山や空など、周囲を取り巻くすべてがこの「亀時間」を作り上げているのだな、という印象を持ったのを憶えている。この素晴らしい場所に根ざし、ゆったりとした時間の中でゲストハウスを営むという生き方が、うらやましくも思えた。

このゲストハウスについての本を作りたいという話は、ずっと前に旅音さんから聞いていたのだが、企画が通るまでの紆余曲折と、制作に入ってからの苦労話もいろいろ伝え聞いていたので、それが「亀時間 鎌倉の宿から生まれるつながりの環」として一つの形になったことは、うれしかったし、ほっとした。世の中には、読まれていくべき本というものがあると思うから。

マサさんが長旅の中でムビラという生き甲斐の一つを見つけ、それを続けるための仕事と生活を自ら作り出すという発想の転換から、鎌倉でゲストハウスを開業するまでの日々と思いが、この本では「亀時間」そのもののように誠実な筆致で綴られている。特に、材木座で放置されていた古民家と運命的にめぐり会い、仲間と悪戦苦闘しながらゲストハウスを作り上げていくまでの過程が、生き生きと語られていて面白い。「亀時間」という場所が、たくさんの仲間や地元の人々に支えられながら生まれてきたことが、あらためてよくわかった。

会社員時代の安定した収入と引き換えに得たものは、地域の人々と助け合える関係と、その中で好きな仕事ができる喜び、そして家族とゆっくり過ごせる時間。マサさんが「亀時間」を通じて選び取ったその生き方は、きっと多くの人にとって何かのヒントになるんじゃないかと思う。

写真のプリント

昨日は、昼に千駄ヶ谷で打ち合わせを一件こなした後、再びナロさん宅を訪問。目的はねこぱんちを受け止めるためではなく(笑)、プリンタをお借りして、写真のプリントをさせてもらうため。

来年の今頃くらいを目標に、今までラダックで撮影してきた写真の集大成となるような写真展の開催を計画しているのだが、会場候補として考えているギャラリーの年二回の公募受付期間が、来月から始まるのだ。ただ、そこでは、応募用の写真見本をインクジェットプリンタでプリントしたものに限定している。普段の仕事でもめったに必要にならないプロ仕様のプリンタを、そのためだけに買うのは難しい。どうしようかなと悩んでいたところ、たかしまさん宅でプリンタを使わせていただけることになり、ありがたくご好意に甘えさせていただくことにしたのだ。

昼過ぎに開始して、A4サイズの写真を計45枚プリントするのに、約4時間。乾燥待ちの間に近くの焼き鳥屋で軽く飲んだりして、結果的にずいぶん長い時間お邪魔してしまい、何だか申し訳なかった。それにしても、最近のプロ仕様のプリンタで、一番いい写真用紙にプリントすると、恐ろしいくらいに綺麗に刷り上がるのには、本当にびっくりした。日本のメーカーの技術力というのは、つくづくすさまじい‥‥。さんざん見慣れたはずの写真なのに、ファイリングしたものをあらためてしげしげと眺めてしまう。

さて、公募、どうなるか。承認されるといいな。ちなみにナロさんは、昨日はほぼずっとおねむだった(笑)。