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半歩ずつでも

フリーランスの身ではあるが、今日から一応、仕事始め。いつものように、朝から吉祥寺のコワーキングスペースに籠って、本の原稿を書く。

巷では、コロナ禍が再燃しつつあるようで、新規感染者数も倍々のペースで増えつつあるようだ。そう遠くないうちに、また、いろいろ面倒な雰囲気の世の中に戻るのだろう。そう考えると、気が滅入ってきそうなものだが、僕自身は、割と普通というか、まあ、ある程度予想された状況でもあるし、しゃーない、という感じで構えている。

そうしていられるのは、いくつか理由があると思う。家では、真面目な話からたわいもない話まで、家族にいつでも、何でも話せるということ。仕事では、一昨年から昨年、そして今年と、何だかんだでずっと本を書き続けられているということ。そうして作った本を読んでくださった読者の方々から、日々いろいろな感想を寄せていただいているのも、本当に支えになる。

僕の本づくりのペースは本当にゆっくりだし、一歩々々進んでいるかどうかも怪しいけれど、たとえほんの半歩ずつでも、目指す方向に進んでいけたらと思う。周囲の人々を支えたり、逆に支えられたりしながら。

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池亀彩『インド残酷物語 世界一たくましい民』読了。主に帰省中の新幹線の車内で読んだのだが、興味深い内容だった。今まで何度となくインドに行った経験のある自分でさえ、知っているようであやふやなままだった、インドという国の複雑怪奇な社会構造と、そこから生じる問題や軋轢の数々が、著者に身近な人々の実例を交えて、リアルに、かつわかりやすく紹介されている。数千年前からの執拗なしがらみに囚われ続けている人々が、それでも生き抜くために身につけた、しぶとさ、しなやかさ、したたかさ。普段からインドに関わりのある人や、まだ関わりはないけど興味を持っている人には、読んでほしい一冊。

海外渡航とブースター接種

今、世界各国で流行の兆しを見せている、新型コロナウイルスのオミクロン株。日本ではまだ市中感染の報告はないようだが、おそらくそう遠くないうちに、それなりに感染拡大してくるだろう。オミクロン株は感染力が強く、ワクチンを2回接種している人でも、ブレークスルー感染する確率がかなり高いようなので。

少し前までは、もうそろそろ海外渡航も普通にできるようになるかも、という空気だったが、ここへきて、また見通しがまったく立たなくなってしまった感がある。オミクロン株の感染を効果的に防ぐには、3回目のワクチンを打つブースター接種が必要になるそうなので、海外渡航に必要なワクチンの接種証明、いわゆるワクチンパスポートも、3回分の接種の証明でなければならなくなるのではないかと、個人的に推測している。

となると、たとえば9月下旬に2回目のワクチン接種を終えた僕が、3回目の接種を終えられるのは、いくぶん前倒しで受けられたとしても、たぶん来年の3月か4月。混雑や供給不足の度合いによっては、夏頃までずれ込むかもしれない。ほかの多くの日本人も、ほぼほぼ同じような状況ではないかと思う。

来年の春はもちろん、夏にかけても、海外との行き来はまだ、ままならないのではないかな……。

僕自身、少し前までは、来年の夏にラダック方面に仕事で行く計画をあれこれ立てていたのだけれど、今は五分五分かそれ以下の実現可能性ということで構えておこうと考えている。行けたら行けたで、行けないなら行けないで、自分にできるタスクをそれぞれ用意しておこうと思う。希望的観測にのめり込んだあげく、世情に振り回されて消耗させられるのはバカバカしいし。

ま、なるようにしかならんさ。

衆院選に思う

昨日は衆院選の投開票日だった。僕の住んでいる場所の選挙区では、自分の投票した候補の当確がゼロ打ちで出たので安堵したのだが、全国での最終的な結果は、何というか、予想していた中でも下から二番目ぐらいに酷い結果になった。

衆院選に突入したタイミングでコロナ禍が急に収束して、大勢の国民が「色々大変だったけど、とりあえずお疲れさまー」みたいな心境になっていたのは、かなり影響したと思う。自民党が9月の総裁選でメディアジャックをして、そこからすぐに衆院選に突入した効果もあっただろう。大阪府民が何であんなに維新を好きなのかは、僕には死ぬまで理解できないと思うが(苦笑)。

その一方で、野党第一党である立憲民主党が、他の野党と共闘して統一候補を大勢擁立したのにもかかわらず、最終的に前回より議席を減らしたのは、むべなるかな、と思う部分もある。実際、僕も比例では、別の党に票を投じた。

ここ最近の立憲民主党は、他党の議員の合流によって頭数だけは増えてきたけれど、大所帯になってきた分、意思決定でも行動でも、どうにも筋が通らず、煮え切らない場面が多くなっているように感じる。野党間での政策や候補者の調整も、共産党などから再三再四せっつかれていたのに動きが鈍かったと聞く。もともと地方組織も脆弱な上、準備まで立ち遅れていたら、ドブ板選挙に慣れている自民党の地方組織には競り負ける。そういう競り負けの蓄積が、今回の議席減につながったのかもしれない。

このまま何も軌道修正できなければ、立憲民主党は凋落の一途を辿るだろう。その可能性は、それなりに高いと個人的には感じる。

日本はこれから、どうなるのだろう。愚かなポピュリズムとファシズムに突っ込んでいって、気がついた時には何もかも手遅れ……みたいなことにならなければいいが。それを変えられるのは、やっぱり、一人一人の一票でしかない。まだ、その一票の権利が、守られている間は。

2回目のモデルナワクチン接種

先週の土曜の午後、2回目のモデルナワクチンの接種をしてきた。

接種したその日は、特に明確な違和感もなく、そのまま普通に寝たのだが、夜中の3時頃、ワクチンを打った右腕にひきつるような疼痛を感じて目が覚めた。体温を測ると上がりはじめていたので、相方が用意してくれていたカロナール(解熱剤)を服用。右腕の痛みは治まったが、目はすっかり醒めてしまって、よく眠れない状態が続いた。

明け方に2時間ほどうとうとして起きると、熱がぐんと上がって、38℃台に。こんなにわかりやすく熱が出たのはひさしぶりすぎて、いつ以来だったかも思い出せない。不幸中の幸いは、頭痛や悪寒、吐き気などはまったくなくて、ただただ体温が上がって身体がぽかぽか火照ってる状態だったこと。だから日中は、普通にパソコンやスマホを見ながらのんびり過ごすことができた。

夕方になって急に熱がすとんと下がって、ほぼ平熱に。晩飯も普通に食べられた。寝る直前にまた少し微熱が出たが、夜は前後不覚にぐっすり眠れて、今朝はすっかり元通り。ひさしぶりに自分でいれて飲むコーヒーがうまい。

ともあれ、これで、うっかりコロナを罹患しても重症化するリスクはなくなった。やれやれである。

フローズン・ショルダー・モデルナ・アーム Part 1

今日、新型コロナワクチンの1回目の接種に行ってきた。

僕の住んでいる杉並区では、自分の年代が一番後回しにされていた上、ワクチンの供給不足で予約もままならなくなっていたのだが、フリーランスを対象にした職域接種にタイミングよく申し込むことができ、どうにか今日、接種を受けられることになったのだった。ワクチンはモデルナ製である。

会場で簡単な問診を受け、いざ接種という時、案内のスタッフさんに「利き腕はどちらですか?」と訊かれたので、

「利き腕は右ですが、右は今、四十肩なので、右にお願いします!」

と答えると、スタッフさんは笑いを噛み殺しながら「右ですが、右にとのことです、四十肩だそうで!」と担当医に伝えてくれた。

接種自体はあっという間に終わった。夕方に家に戻ってきて、今、これを書いているが、いわゆるモデルナ・アームの兆候は、まだこれといって出てきていない、気がする。個人的には、四十肩の慢性期真っ只中で筋肉が凝り固まっている右腕に、ぷすっと針を刺して未知のワクチンを注入したら、いったいどうなるのか、かなり興味がある。痛みやだるさが倍加するのか、相殺されるのか、いつのまにかどっちもすっきり治ってしまったりするのか。

というわけで、四十肩とモデルナワクチンの相関関係について、しばらくレポートをしていこうと思う。誰にニーズがあるんだろ、こんなの(笑)。