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アラスカ(3):デナリ国立公園

北米大陸最高峰、標高6193メートルのデナリ(マッキンレー)は、普段は雲に隠れていることが多く、なかなかその姿を見せてくれない。早朝、雲の切れ間から、モルゲンロートに染まるデナリの頂が、ちらりと見えた。

アラスカ(1):ベテルス、フェアバンクス

八月末から二週間ほど、アラスカを旅してきた。本来は、父と母が友人の方々と手配していた旅行だったのだが、昨年父が他界したたため、その代わりに僕が母に付き添う形で参加した。最初で最後の海外団体旅行。いつもの自分の旅のように行動できないもどかしさは少なからず感じたし、現地の人々と知り合う機会もかなり限られてしまったが、それでも、初めて目にしたアラスカの自然の雄大さ、美しさは、まさに圧倒的だった。これから何回かに分けて、アラスカの写真を載せていこうと思う。

高水三山縦走

梅雨の合間をぬって、奥多摩の高水三山を歩いてきた。山の高さは一番高い岩茸石山でも793メートルとやや物足りないが、JR青梅線の軍畑駅からすぐに登れるし、帰りも御嶽駅から電車に乗れるので、ラクでいいかな〜、と思って選んだ(笑)。

空模様はあいにくの曇天で、雨こそ降らないものの、湿った雲が空にぺったりと貼り付いている。今日は山上からの眺望はあきらめて、ラダックでのトレッキングのための足慣らしと割り切ることにした。

「写真のプロ」ではない?

一昨日の夕方、一冊の本が送られてきた。去年の秋に僕が書いた取材原稿が含まれている、フォトグラファーになりたい人向けのハウツー本の見本誌だ。

この本で、僕は一人のフォトグラファーを取材したほかに、僕自身もフォトグラファーの一人として取材を受けた。ラダック関係の著書や写真とともに、4ページほどの記事で紹介されている。僕を取材したのはこの本の担当編集者だったのだが、最初に上がってきた原稿は、ちょっと調べればわかる範囲の事実誤認やミスのオンパレード。インタビューとしても、いったい何が訊きたかったのかわからないほどまとまりがない、メタメタなものだった。あまりにひどい出来だったので、結局、その4ページ分の原稿は僕自身がすべて書き直さざるを得なかったのだ。インタビューをされた本人が、である。

年が明けて少し経てば発売されるはずだったその本は、件の担当編集者のスケジュール調整の不手際で、制作がずるずると延期。ようやく発売日が決まって、去年の秋に書いた原稿のギャラが振り込まれることになったのは、執筆からなんと9カ月後というていたらくだった。

これまでの経緯だけでもつくづくうんざりしていた僕は、送られてきた見本誌を見て、またしても頭の痛い思いをすることになった。僕のインタビューページの前に、前置きのような形で僕の紹介が1ページ載っていたのだが(そういうページを載せるという話を僕はまったく聞いておらず、当然ゲラチェックもさせてもらってなかった)、その紹介文の冒頭で、次のような言葉が使われていたのだ。

山本氏は、写真のプロではない。ライターであり、編集者でもある。‥‥

フォトグラファーを紹介する文章として、これほど失礼なものもちょっと思いつかない。そもそも、何を根拠に「写真のプロではない」と言い切ってるのかわからない。別に自分の技量に自惚れてるわけではないが、僕は仕事として写真を撮り、写真を使った複数の著書を持ち、各社の媒体にも写真を提供して報酬を得ている。それで「写真のプロ」とは言えないのだろうか。これを書いた件の編集者は、フォトグラファーとしての僕を貶めようとしているのか、それとも何も考えてないヌケサクなのだろうか。

このページでは他にも多数の事実誤認があったほか、本編の4ページ分の記事内での作品紹介用に用意していた写真も無断で転用されていた。自分の立場を守るためにも、こればかりは看過できない。結局、件の編集者の上司の方に連絡して、出荷前のすべての本に訂正文を印刷した別紙を挟んでもらうことになった。まあ、それでも、そのページがみっともない有様であることには変わりないのだが。

ここで、その本のタイトルや出版社名を挙げるつもりはないし、本自体の出来をどうこう言うつもりもない。ただ、少なくとも僕が登場しているページに関しては、そういう何もわかってない編集者が作った、熱意も何も籠ってない記事だということだけは書いておきたい。この編集者とは、もう二度と仕事をすることはないだろう。