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28mmの初心

去年から時々行く山歩きの写真は、リコーのGR DIGITAL IVで撮っている。このカメラで写真を撮ることは、僕にいろんなことを思い出させてくれる。

二十代の頃、初めて自分で買ったカメラらしいカメラは、リコーのGR1というフィルムカメラ。長い旅に出る時、ショルダーバッグにはいつもGR1が入っていた。このカメラが搭載していたレンズは、今のデジタルのGRと同様、28mmの広角単焦点レンズ。他のコンパクトカメラと同じような撮り方では、全然思い通りに撮れない。でも、28mmというレンズの距離感に慣れてコツを覚えてくると、僕はその面白さにどんどん惹かれていった。

被写体が遠ければ、足で近づく。「いいな」と感じた場所から、さらに近づく。視線の高さにも気を配る‥‥一度カメラを構えたら、そのまま即座にシャッターが切れるように。GR DIGITAL IVで撮っていると、GR1で覚えた28mmの距離感とコツを、あらためておさらいできる気がする。

一眼レフとズームレンズの方が便利で高性能だとしても、身体の中に基準となる距離感を感じておくことは、写真ではとても大切だと思う。28mmは、僕にとっての初心だ。

奥多摩湖から三頭山へ

奥多摩湖畔にて

東京と山梨の間に位置し、奥多摩三山の一つにも数えられる三頭山。ほとんどの登山者は、登頂が容易な南側の檜原都民の森から登るそうだが、僕は今回、奥多摩湖の側から、ヌカザス尾根と呼ばれるルートを辿って登ってみることにした。標高差は、だいたい1000メートルくらいだろうか。

天気は快晴。奥多摩湖畔では、至るところで藤の花が咲いていた。

木漏れ日を辿って

日の光に透ける若葉

たぶん、半年以上ぶりくらいに、山歩きに行くことにした。ルートは、家からのアクセスがラクな、陣馬山から高尾山までの縦走。なまりになまってる身体でも、尾根筋まで出れば、何とか歩けるだろうとの目論見もあった(苦笑)。

「好き」か「そうでもない」か

昼、取材先に行く前に、新宿でちょっと寄り道。コニカミノルタプラザで開催中の須藤明子さんの写真展「白く静かな空の下」を見る。冬の青森の景色を淡々と切り取った作品たちは、とても静謐で、でもどこか、心をざわつかせる。全然かけ離れてるかもしれないけれど、クーデルカの写真をちょっと思い出した。

写真にしろ、文章にしろ、修練を積んだ人によって一定以上のレベルに達した作品は、「いい」か「悪い」かで判断すべきものではないし、判断できないものだと個人的には思う。ある人にはどうということのない一枚の写真が、別の人の心に深く深く突き刺さることだってある。人それぞれに、「好き」か「そうでもない」かで見ていくことしかできないのではないかと思う。作品や作者に対してランク付けをしても、何の意味もない。

今日見た写真展は、僕としてはとても「好き」なものだった。会期は今週の金曜まで。

夕暮れの桜

夕陽に照らされた桜の花

昨日の午後は、小金井公園まで花見をしに行った。桜は八分咲きといったところだったが、たてもの園の前で桜の木々が密集しているあたりは、桜色の雲がふわーっとたなびいてるように見えるほどだった。途中のコンビニで買ったビールを飲み、屋台でたこ焼きを買って食べる。天気もはじめのうちは曇っていたけれど、帰る間際になって晴れてきた。夕暮れの光に桜の花弁が照らされて、とても綺麗だった。

今の仕事の立て込み具合だと、花見どころではない気もしないではないけれど、仕事は、他の日に根詰めてやれば、まだ何とかなる。でも、この美しい桜は、今年はこのタイミングでしか見られない。忙しさにかまけて、心を亡くすようなことはしたくないな、と思う。