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遠くへ、遠くへ

カトマイにて

ふとした時に、なぜか思い出してしまう景色がある。

この写真を撮ったのは、去年の秋、アラスカのカトマイ。ブルックス・ロッジから一万本の煙の谷へと向かう途中、休憩で停まった場所で、何気なく何枚かシャッターを切った。その時は、そこまで入れ込んで撮ったわけではなかったと思う。でも今になって、この光景が何度も脳裏に甦るのだ。

百年前の火山の大噴火の影響で、この地の植生はまだ若々しい。秋色の木立と平原の先にはぽつぽつと湖があり、山の上には気まぐれな雲が漂っている。遠くへ、遠くへ。この写真を見ていると、心が連れていかれそうになる。たぶん、そう感じるのは僕だけなのだろうけれど。

28mmの初心

去年から時々行く山歩きの写真は、リコーのGR DIGITAL IVで撮っている。このカメラで写真を撮ることは、僕にいろんなことを思い出させてくれる。

二十代の頃、初めて自分で買ったカメラらしいカメラは、リコーのGR1というフィルムカメラ。長い旅に出る時、ショルダーバッグにはいつもGR1が入っていた。このカメラが搭載していたレンズは、今のデジタルのGRと同様、28mmの広角単焦点レンズ。他のコンパクトカメラと同じような撮り方では、全然思い通りに撮れない。でも、28mmというレンズの距離感に慣れてコツを覚えてくると、僕はその面白さにどんどん惹かれていった。

被写体が遠ければ、足で近づく。「いいな」と感じた場所から、さらに近づく。視線の高さにも気を配る‥‥一度カメラを構えたら、そのまま即座にシャッターが切れるように。GR DIGITAL IVで撮っていると、GR1で覚えた28mmの距離感とコツを、あらためておさらいできる気がする。

一眼レフとズームレンズの方が便利で高性能だとしても、身体の中に基準となる距離感を感じておくことは、写真ではとても大切だと思う。28mmは、僕にとっての初心だ。

奥多摩湖から三頭山へ

奥多摩湖畔にて

東京と山梨の間に位置し、奥多摩三山の一つにも数えられる三頭山。ほとんどの登山者は、登頂が容易な南側の檜原都民の森から登るそうだが、僕は今回、奥多摩湖の側から、ヌカザス尾根と呼ばれるルートを辿って登ってみることにした。標高差は、だいたい1000メートルくらいだろうか。

天気は快晴。奥多摩湖畔では、至るところで藤の花が咲いていた。

木漏れ日を辿って

日の光に透ける若葉

たぶん、半年以上ぶりくらいに、山歩きに行くことにした。ルートは、家からのアクセスがラクな、陣馬山から高尾山までの縦走。なまりになまってる身体でも、尾根筋まで出れば、何とか歩けるだろうとの目論見もあった(苦笑)。