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ただそこに在る音

先日たまたま見つけて購入したCD「Tibet: Les Chants De L’exil – Songs From Exile」が非常に素晴らしく、すっかり惚れ込んでしまったので、同じくボリス・ルロンの録音による前作「PHILIPPINES: Femmes artistes du lac sebu – Women artists of Lake Sebu」を手に入れた。この手のCDは、アマゾン経由でさえ入手に数週間かかる‥‥。

フィリピン・ミンダナオ島のセブ湖周辺に暮らす先住民族、ティボリ族の女性たちが奏でる音楽。歌声、リュート、口琴、鐘、その他たくさんの民族楽器が紡ぎ出す音色に、森を渡る風、鳥のさえずり、蛙や虫の鳴き声、ぱちゃぱちゃと跳ねる水音、村の子供たちの歓声が入り混じる。ただそこに在る音。それが、どうしてこんなに心地よいのだろう。

この地球の上に、この素晴らしい音楽が奏でられている場所が、確かにある。そう想像するだけで、心がふっと軽くなる気がする。

ただいま、おかえり

昨日の夜は、吉祥寺のアムリタ食堂で行われた、羊毛とおはなのライブに行った。

店内はぎっしり満席。漂うエスニックな香りに、おはなさんは「うまそうな匂いだなあ」と笑いつつ、新譜「LIVE IN LIVING’13」からの曲を中心にたくさん歌ってくれた。羊毛さんの指がギターの弦を弾く動きまでよーく見えるほどの至近距離。こういう小さなハコで聴く彼らの歌は本当に心地よい。

アンコールでは、お客さんからのリクエスト、というか、おはなさんが「今歌える曲」の楽譜を何枚か抜き出して、伏せた状態でお客さんにひいてもらった曲を歌うことになった。選ばれたのは、「ただいま、おかえり」。

ただいま、おかえり。ごらん街は君の帰りをいつも待ってる
さよなら、またね。と旅立つ君の背中押してくれる
帰る場所はあるからね、と。

僕がこの曲を好きなのは、日本という故郷だけでなく、ラダックという「帰る場所」も思い起こさせてくれるからなのかもしれない。それは本当に個人的な思い入れなのだけれど、あの空の向こうに、自分を待ってくれている場所があると感じられるのは、たぶん、とても幸せなことなのだろう。

がんばらなきゃな、と思った。

音楽と牡蠣の夕べ、再び

昨日は、のんびりした休日だった。

昼、前から気になってた中目黒のファイブスターカフェという店に行き、マレー風ブラックカレーのおひる。その向かいにトラベラーズノートの路面店を見つけてぶらついたり、そのまま代官山まで歩いていって、旅行書コンシェルジュの森本さんにご挨拶したり。そこから恵比寿までの道の途中、お気に入りの喫茶店ヴェルデに寄ってコーヒーを飲み、家飲み用に深煎り豆も購入した。

夕方からは、品川グローリア・チャペルで開催された羊毛とおはなのライブへ。教会という会場にふさわしく、ストリングスも加わったバンドでの素晴らしい演奏に聴き惚れた。三年ほど前、恵比寿ガーデンプレイスでのフリーライブで彼らの歌を初めて生で聴いた時のことを、なぜかまざまざと思い出した。

ライブの後は、品川駅のグランドセントラル・オイスターバーで牡蠣三昧。たぶん今季は、これで最後だろうな。牡蠣の季節が終われば、もう春だ。

アラバマとキューバ

昼から午後にかけて、ひとしきり編集作業や連絡業務。それも夕方には片付いて、部屋でCDを聴いたりして、しばしのんびり。

最近よく聴いてるのは、アラバマ・シェイクスの「Boys & Girls」。サザン・ロックやソウルを主にやっているバンドで、とにかくパワフル、でもあったかい。ずどーん、ぎゅわーん、ぼわーん、と聴いてて実にキモチイイ。何か変な擬音だが(笑)、ほんとそんな感じなんだもの。

もう一枚、この間買ったのが、マテオ・ストーンマンという人の「Mi Linda Havana」(マイ・ビューティフル・ハバナ)。畠山美由紀さんがブログで激賞されてたのだが、これは名盤。キューバをこよなく愛する彼が何年もの時間をかけて作り上げたアルバムだそうで、か細いと言っていいほどの(だがそれがいい)繊細なヴォーカルと、たゆたうようなピアノとギターがたまらない。いかん、心地よすぎて、これを聴くと眠気が‥‥。

アラバマだったり、キューバだったり、部屋の中で脳内プチトリップ。行ってみたいな。

音楽と牡蠣の夕べ

昨日は日中バリバリ働いて、夕方から外出。品川のグローリア・チャペルで開催される畠山美由紀さんのライブへ。

この日のライブは、先日発売されたばかりの「Coffee & Music –Drip for Smile-」に収録されているカヴァー曲がメイン。畠山さんの歌は言うに及ばす、ギターの小池龍平さん、フレットレス・ベースの織原良次さん、ピアノのジェイコブ・コーラーさんによる演奏が素晴らしかった。それぞれ途轍もない技量を持っている人たちが、さりげなく、こともなげに、心地よいメロディとリズムを紡いでいく。休日の午後、鎌倉散歩の途中にディモンシュでコーヒーを飲んでるような気分になった。

ライブの後は、近場で遅い時間にも開いてる店ということで、品川のグランドセントラル・オイスターバー&レストランへ。思い返すと、オイスターバーに来たの、二年ぶりかも‥‥。ヱビスビールを飲みながら、つるつるっと立て続けに生牡蠣を口に放り込み、バジルやオランデーズソースを載せた焼き牡蠣をハフハフ頬張り‥‥あー、幸せ。帰り道で身体がポカポカ火照るほど、牡蠣の滋養をがっつり吸収した感じ。

音楽と牡蠣に恵まれた、よい夕べだった。