Tag: Magazine

「ソトコト」2014年3月号

「ソトコト」2014年3月号2月5日(水)発売の雑誌「ソトコト」2014年3月号の巻頭インタビュー「人の森」で、チベットやシッキム、ラダックなどのチベット文化圏で古い建築物の修繕などに取り組んでいる団体、チベット・ヘリテイジ・ファンドの代表を務める平子豊さんについての記事の企画・執筆を担当しました。同誌のサイトでも記事の一部を読むことができます。

弱点の把握

昨日までに書き上げた原稿を、今日は一日かけて、じっくり推敲。少し時間を空けながら何度も読み返して、ちょっとずつ手を入れていく。

文章を書く時、きちんと推敲をして細部を見直すのは、大事な作業だ。推敲を端折ると、たいていろくでもない結果になる。でも、ただ漠然と読み返すだけだと、あまり効果的な推敲にはならない。自分の書きぐせや弱点をあらかじめ把握しているかどうかで、仕上がりにはかなり差が出ると思う。

今回の原稿は、どうだったかな。さっき納品してみたものの、まだそわそわする。ゲラの段階でもう一回、ちゃんと見直さねば。

越えていくハードル

昨日と今日は、ほぼ完全に部屋に閉じこもって、先週の取材の原稿執筆に集中。今年最初のハードルは、テープ起こしに手間取ったのでどうなることやらと思ったが、まずまず順調にクリアできそう。

今年はこれからも、結構な頻度でいろんなハードルが待ち構えている。その大半は自分自身で設置してしまったものだが(苦笑)、必ず越えなければならないハードルもあれば、越えられるかどうか、自分でも半信半疑の高いハードルもある。越えてみたはいいけれど、誰にも振り向いてもらえないハードルもあるかもしれない(苦笑)。

まあでも、やるしかないのだ。自分がどこに辿り着くのか自分でもわからないけど、目の前に現れるハードルを一つひとつ越えていかなければ、どこかに辿り着くことすらできないのだから。

愉しい仕事

午後、築地で取材。チベットやラダックに関係のある方へのインタビュー。年が明けてからの実質的な仕事始めがこういう取材だと、何だかとても気分がいい。

仕事をいい結果に結びつけるには、いろんな方法や工夫の仕方があるけれど、僕の場合、やってて愉しいなあと思える仕事は、ある程度いい結果に結びつくことが多いと思う。逆に、どこかもやもやとしたままやってしまった仕事は、結果もコケることが多い気がする。

今日の取材は、やっててとても愉しかった。こんな風に思える仕事の割合を、これからはできるだけ意識して増やしていけたらと思う。

編集者よ、メールには返事を書こう

この文章は、世の中で少なからず該当する出版社勤務の編集者の方々に読んでほしいと思っているのだけれど。

僕はフリーランスの立場で本を作ったり、雑誌に記事を寄稿したりしている。新しい企画を立てた時、その内容によっては、それまで一緒に仕事をしたことのない出版社に、企画の持ち込みができるかどうかを問い合わせることもある。

企画の持ち込み方としては、まずその出版社のWebサイトを確認。外部からのそういう持ち込みを受け付けていない出版社は、Webサイトにその旨を明記していることもあるからだ。そうした記載がなければ、サイトに載っている電話番号に電話をかけ、身元を明かして簡単な説明をした上で、その出版社のどの担当者の方に企画書を送付すれば受け取ってもらえるかを聞く。それまでの過程で断られる場合ももちろんあるのだが、担当者の方のメールアドレスまで教えてもらえたら、企画書など必要な資料を整えてメールに添付して送り、興味を持っていただけるようなら直接訪問して説明する旨を伝える。

で、ここからが問題。これだけきっちりとした手順を踏んで先方の窓口を確認し、きちんと礼節を守る形で問い合わせをしても、まったく返事をよこさずにシカトを決め込む編集者が、世の中にはびっくりするほど多いのだ。一般社会の常識からすると、本当に信じられないような対応だと思うのだが。僕自身、今まで何度そうした失礼な対応に遭遇してきたかしれない。

送られてきた資料の受領の確認、あるいは断りの連絡、いずれも数行のメールを書いて送るだけですむ話。ほんの数分もあればできる作業だ。「出版社の編集者の仕事は忙しいから」なんてのは言い訳にすらならない。要するに、単に相手を見下していて、面倒くさいから放置しているだけなのだ。他に何かもっともな理由があるだろうか?

メールではないけれど、こんな話を聞いたことがある。大手出版社から季刊で刊行されている割と有名な旅行雑誌が、チベットの特集を組むことになった。それを前号の予告で知ったあるフォトグラファーの方が、自分が撮った写真に興味を持ってもらえるのではと編集部に問い合わせの電話を入れたのだが、応対に出た編集部の人間は「はぁ? あんた誰?」とけんもほろろなひどい対応。ところがどっこい、実はそのフォトグラファーの方は、日本でも一、二を争うチベットの撮影のスペシャリストだったのだ。後でそれを知ったその雑誌の編集者は、平身低頭平謝りで、写真を使わせてほしいと頼みに行ったとか。手のひら返しもいいところである。

世の編集者の方々には、しかるべき手順と礼儀を守って送られてきた問い合わせのメールには、どんなに簡潔でもいいから返事を書くようにしてもらいたい。面倒くさいからとシカトすることは、それだけ相手を見下しているということでもある。そしてその相手は、そうしてシカトされて見下されたことを、いつまでも覚えているものなのだ。出版社にとって、そんなことで潜在的な敵意を増やすのはマイナスでしかないと思う。

まとめると、真っ当な手順と内容のメールにはすぐに返事を書く、という社会人として当たり前のことくらい、きちんとやってよね、という話。フリーランスをナメんなよ。