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「拠り所」について

人が生きていく上で、何かを「拠り所」にするのは、けっして悪いことではないと思う。何を拠り所にするかにもよるが。

有名な大学を出ているとか、誰もがうらやむ企業で働いているとか、本人がそれに見合う実力を持っていれば別に問題ないけれど、肩書きに負けてるようならたいした意味はない。何らかの理由で裕福だとか、外見の美しさに恵まれているような人も、内面が伴っていなければ、いささか残念なことになるだろう。流行りのブランドの服やバッグを持っているとか、FacebookやTwitterのフォロワーが何人いるとか、そんな吹けば飛ぶような物事には、もちろん何の意味もない。

何かの分野のスペシャリストという人でも、その分野が廃れてしまったら応用が全然利かないような守備範囲の狭さなら、そのうち困ったことになるはずだ。たとえば僕の場合、それはラダックということになる。ラダック以外、写真も文章も使い物にならないようなデクノボーではまずいわけだ。当たり前といえば当たり前すぎるけど。

そう考えていくと、人が生きていく上で拠り所とするべきなのは、周囲がどんな状況になってもさほど左右されない能力や経験の蓄積と、一人の人間として真っ当な価値観とバランス感覚を持つことなのだろうと思う。結局、自分自身なんだろうな、拠り所って。

新規会員

僕は普段からスーツを着るような職業ではないので、クリーニング店を利用するのは、年に一度、今くらいの時期に冬物のコートやセーターを持っていく時くらいだ。近所には何軒かクリーニング店があるけど、持っていく店はここ数年決まっている。

その店では新規会員になると、一年間有効の会員証をくれて、特典としてその初回のクリーニングを半額にしてくれる。で、一年後に会員証の有効期限が過ぎると、また一年間有効の会員証をくれて、特典の半額サービスをしてくれる。つまり僕の場合、年に一度、会員証の有効期限が過ぎた直後に冬物をクリーニングに出すようにすると、毎年常に半額で利用できる。これは僕が気付いたわけではなく、お店の人がわざわざ「そうした方がいいですよ」と入れ知恵してくれたのだが。

このシステム、ありがたいといえばありがたいけど、油断してると冬物をクリーニングに出すのがどんどん後にずれていくので、うっかり夏にならないように(苦笑)、気をつけねば。

人の価値

それぞれの人の価値というのは、結局のところ、誰かに何かをしてあげられているかどうか、なのかもしれない。

一曲の歌で世界中の人々を感動させられる人。オリンピックでメダルを取って国民を熱狂させられる人。何世代にもわたって読み継がれるベストセラー小説を書ける人。何万人もの社員を養う大企業を創業した人。そういう人たちはすごいんだろうというのは、まあ、わかりやすい。

でも、自分の子供を日々大切に守り育てる父親や母親、地味でも社会を支えるのに欠かせない仕事に黙々と取り組む人も、わかりやすく華々しい活躍をする人と同じか、それ以上にすごいと、僕は思う。病の床に臥している人でも、生きることそのものが、その人を大切に思う人たちの心の支えになっているはずだ。

価値のない人というのは、自分自身のことしか眼中になくて、他人を欺いたり傷つけたりすることに何の痛みも感じないような人。そういうろくでもない人以外、たいていの真っ当に生きている人たちの人生には、すべからく価値があるのだと、僕は思う。

だから、日々を当たり前に、真っ当に、心のどこかで誰かを思いながら、生きていけばいい。

空の向こうの悲しみに

暗い空の下、強い風が吹き荒れる不穏な天気。まだ5月だというのに、台風が近づいているらしい。

幸い、今日は特に外に出かける用事もなかったので、丸一日部屋に閉じこもって、地味に過ごす。昼にかまたまうどんを作り、コーヒーをいれ、夕方は実家から送られてきたそばを茹で、青梗菜のおひたしを作った。冷蔵庫にはまだ一本ビールがあるし、このまま引きこもって嵐をやり過ごせそうだ。

台風から温帯低気圧に崩れた嵐は、ぬるい感触の雨を窓に叩きつけている。ネパールでは今日、大きな余震が発生して、またたくさんの死傷者が出てしまったという。雨音を聞きながら、遠い空の向こうの悲しみに、思いを巡らす。何か、できることはあるだろうか。

いきなり工事現場

今朝は別に早起きする必要もなかったのだが、8時過ぎ頃、どんがらどんがら、がしゃんがしゃん、というけたたましい金属音で目が覚めた。

今日あたりから、うちのマンション(3階建て)の屋根の防水工事をやり直すという話は聞いていたのだが、なぜ1階にある僕の部屋のすぐ外でこんな大きな音がしてるのだろう。しばらくして外に出てみると、僕の寝室の外側に、地上から屋根の高さまで、外壁に沿って鉄パイプの細長いやぐらが組まれている。頂上にはウインチが据えられていて、工事に必要な材料を上に運び上げるためのものらしい。刺激臭のするコーティング剤か何かの缶が、浴室の換気窓の外に山積みされている。どうりで部屋がシンナー臭いと思った。

屋根の工事だから関係ないやと思ってたら、実は結構ダイレクトに影響を受けることになってしまった。これからしばらく、寝室のすぐ外が毎朝こんな感じなのか。何だか落ち着かないなあ‥‥。