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明るい部屋

しばらく前から、家にいる時にどうも気分がパッとしないなあ……などと思っていたら、仕事机のある居間の蛍光灯が、文字通り風前の灯火というか、切れる寸前になっていることに気付いた。

で、午前中のうちに、近所のスーパーに行って新品の蛍光管を買ってきて、よっこらせと交換作業。カバーをはめて、スイッチをオン。びっくりした。昼間ということを差し引いても、交換前より2倍は明るいのだ。こんなにすっきりした部屋だったっけ、と思うくらいに。ここまで差があったのか……。

気分転換に、蛍光灯の交換。悪くない結果だ(笑)。

くりかえしの日々

終日、部屋で仕事。今週はイマイチ調子がよくないというか、仕事に対してテンションの上がらない状態がずっと続いていたのだが、地味に粘り続けたのが功を奏して、急な忙しさで遅れ気味だったスケジュールをどうにか安全な状態にまで引き戻せた。

ここ数日間、判で押したように同じパターンの生活をくりかえしている。昼少し前に起き、適当におひるを作って食べ、コーヒーをいれ、メールとネットをチェックしながらそれを飲み、飲み終えたら仕事開始。夕方になってスーパーに食材を買いに行き、晩ごはんを適当に作り、シャワーを浴びて、仕事の続き。ノルマを達成したら、冷蔵庫からビールを取り出して、ぐびり。2時か3時頃に寝る。

これでいいんだろうか、とふと思う。自分は前に進めているのか。何かを積み重ねることができているのか。暮らしていくために必要な仕事の山に、おぼろげながら見え始めている、自分が目指そうとしている何かが埋もれてしまっているのではないか。それを目指すなら目指すで、言いようのない怖れのようなものを感じてしまうのだけれど。

「淀まず、急がず、後戻りせず」。こういう気分の時、色川武大さんの言葉は自分をハッとさせてくれる。

今日、何曜日だっけ?

終日、部屋で仕事。月曜に取材した案件の原稿を書き、その後は別の取材の音声起こし。

部屋で書き仕事をしている時、僕はしぜんと独り言が増えるのだが、今日の部屋での独り言は、我ながらどうかと思うような内容だった。ラジオをつける時、洗濯物を干す時、流しで洗い物をしてる時、スーパーに買い物に出かける時、気がつくと何かに手をつけるたびに「今日、何曜日だっけ?」と、まったく同じことをくりかえし呟いていたのだ。

今日は、水曜日。ポンコツにもほどがある。やれやれ。

つまらないこと

生きていると、つまらないな、と思うものや出来事に出くわすことは、しょっちゅうある。

どう考えてもやりがいの見つけられない仕事。ただの時間つぶしにしかならない娯楽。他人の顔色を伺いながら調子を合わせるだけの会話。

でも、よく考えてみたら、毎日々々、楽しい仕事ばかり手がけて成功し続けて、プライベートも何もかも、幸せいっぱいで充実しきっている人って、この世界にどのくらいいるのだろうか、とも思う。たぶん、いるのかもしれないけど、きっとそういう人は自分が満ち足りているとは気付いていないだろうし、それに、そういう状態は、それはそれで別の意味でつまらないんじゃないかなと思う。

日々の仕事や生活の中に、つまらないものや出来事が山ほどあるからこそ、人はそこから這い出して何かを目指そうとするのかもしれない。途中で何度もきついことに出くわして、つらい思いをするからこそ、その先に辿り着いた時の嬉しさを味わえるのかもしれない。

だからそういう意味では、つまらないものや出来事も、まったく無駄というわけではないのかな、と思う。

似た者同士

ひさしぶりに、腕時計を買った。

僕は昔から、外出時に腕時計をほぼ必ずつけるたちで、以前はスウォッチやG-SHOCK、ここしばらくは高度計のついたプロトレックを愛用している。今回買ったのは、そういう安くて実用性重視のものではなく、もちろん宝飾品みたいに高価なブランド品でもない(そんなのつけてたら、それだけで気疲れする)。かといって、Apple Watchみたいに今風で多機能なものでもない。時刻と日付だけ表示する、機械式、自動巻きの腕時計だ。

ハミルトンというメーカーのラインナップにあるこの腕時計は、長い上に表記がまちまちで、正式名称がよくわからない名前を持っている。パッと見はとても地味で普通なのだが、よくよく見ると、ケースが左右非対称で、右側のふくらみに竜頭が二つ埋まっている。そのうちの一つは、内側にあるベゼルの目盛りを回転させるための竜頭という、誰がいつ何に使うのかもよくわからない機能。1970年代の英国空軍で使われていた時計が原型らしい。機構のシンプルなクオーツと違って、機械式の腕時計は、高級ブランドでなくてもそれなりの値段がする。この時計も、定価だとちょっと躊躇するような値段だったのだが、ネットで検索すると6割くらいの値段で手に入ることがわかったので、思い切って買うことにした。

今になって機械式の腕時計を初めて買ったのには、いくつか理由がある。フォーマルとまでいかなくても、ある程度きちんとした服装でも、リラックスした服装でも、どちらでもつけられるような時計が一つあると便利だということ。しばらく前からデジタル表示の時計ばかり使っていたので、長針と短針と秒針が回る時計を懐かしく、かつ新鮮に感じていたこと。あとは……自分を取り巻く時間の早い流れに左右されないようなものが、何か一つ、ほしかったのかもしれない。

その腕時計は、昨日の夜、宅配便で届いた。黒の革ベルトを腕に巻いて留めてみると、あつらえたように、ぴたりとはまった。小刻みに震えながら回る秒針。耳を近づけると、ほんのかすかに、チチチチチ、と歯車たちが回る音が聞こえる。

僕は、すっかりこの時計が気に入ってしまった。愛着というより、親近感という感情に近い。何だか似た者同士だな、と思ってしまったのだ。

ぱっと見フツーで、でも実はヘンなところもあって、ブランド品みたいな価値はなく、かといって高性能でも多機能でもなく、ぜんまいを巻かないとすぐ止まってしまうヘナチョコさ。ただ愚直に、不器用に、時刻と日付を示し続けるだけの存在。まるで自分みたいだなあ、と。

似た者同士、これからも、末長く、よろしく。