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腹が減っては

取材のため、午前中に家を出る。下りの中央線に乗り、西国分寺で武蔵野線に乗り換え、さらに東武東上線に乗り換えて、川越へ。あたりに広がる、田んぼと畑。えらいところまで来たもんだ。

今日は二件の取材が入っていたのだが、間の空き時間が中途半端だったせいで、おひるを食べ損ねてしまった。二つめの取材を終えて電車に乗る頃には、もうふらふら。完全にエネルギー切れ。腹が減っては‥‥というやつだな。

都心に戻り、八重洲にある和風ダイニングの店へ向かう。以前、デリーでさんざんお世話になったご夫妻と、その友人の方との会食。いやー、おいしかった。びっくりした。エネルギーが枯渇してたから、余計においしく感じたのかも。

ひさしぶりに会った方々と、ラダックやらパキスタンやらアフガニスタンやら、濃〜い話ができて愉しかった。それぞれ夏には計画があるので、帰国したら報告会をやりましょう、という話に(笑)。心地よい時間だった。

嵐の記憶

昼頃までは日も射して暑いくらいだったが、急に空が暗くなったと思ったら、風、雨、雷。激しい嵐になった。

こういう嵐に出くわすと、いつも、あの夜のことを思い出す。2010年の夏、トレッキングで分け入っていたラダックの標高五千メートルの山の中で、真夜中に激しい嵐に見舞われた時。テントが吹き飛ばされそうになるほどの風と、叩きつける雹混じりの雨と、空を覆う凄まじい稲妻。あの嵐の数時間の間に感じた恐怖は、たぶん一生忘れられないだろう。同じ時、ラダック各地で起こった土石流災害の死者・行方不明者は、600人以上に達した。

あの時の僕は、神様の気まぐれで、たまたま生き残っただけなのだ。いつ、どんな形になるかわからないけど、いつかは必ず、自分の番が来る。だからこそ、その順番が来るまで、自分にできること、やるべきことを、精一杯やっていかなければならない。嵐の記憶は、僕にそんなことを思い起こさせる。

夏の計画

昨日の夜もよく寝た。昼頃にもそもそと起き出し、ラーメンを作って食べ、取材原稿の執筆にとりかかる。いたって順調。明後日にガイドブックの色校が届くまでには、ほぼカタがついてるだろう。

いろいろ片付いてきて、気持に余裕が出てきたからか、そろそろ今年の夏の計画を考えはじめている。ぼんやりとおぼろげだったものが、ここにきて、割と実現可能な形で見えてきた。そんなに無理がある計画でもないし、たぶん、このまま実行に移すと思う。

やっぱり僕は、戻りたいんだな。カメラを携えて、一人、あの荒野の中に。

「ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット」

ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット
文・写真:山本高樹
価格:本体1700円+税
発行:ダイヤモンド・ビッグ社
A5変型判144ページ(オールカラー、折込地図付)
ISBN978-4478042670

一年半前から準備を続けてきた書籍が、まもなく発売になります。ラダック全域とザンスカールなどを網羅したガイドブックです。豊富な写真と詳細な地図で各地の見どころを紹介するとともに、歴史やチベット仏教、人々の暮らしにまつわるコラムも。ありのままの姿のラダックを知り、かの地を旅する時の手がかりとなる一冊です。

あくせくと

昼、赤坂でガイドブックの編集者さんと打ち合わせ。週末に突貫工事でチェックした初校のゲラを渡し、細かい打ち合わせ。カバーのデザインとか、帯の文章とか、今後の段取りとか、発売前後のプロモーションとか‥‥。いよいよ大詰め、といった感じがしてきた。

近場でハンバーガーを頬張り、高田馬場へ。大学関連の案件の取材に臨む。これもまずまずうまくいった。しかし、この案件、今週の金曜と、来週の火、水曜にも取材の予定が入っている。今週末の土日月曜はガイドブックの再校チェックに充てなければならないし、ほんと、息つく間もない‥‥。あくせくしながら、一日々々を乗り切るのが精一杯。

来月は一転して、ぱったりヒマになったりするのかな。ヒマになりすぎても、それはそれで困るけど(苦笑)。