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薄着の人々

ラダック ザンスカール トラベルガイド」と「撮り・旅!」は同じ出版社から出ていて、出版社側の担当編集者さんも同じ人なのだが、彼は一年の大半を半袖ポロシャツで過ごす。それにはちゃんと理由があるのだという。

その編集者さんは、子供の頃は身体が弱かったそうで、親御さんは心配して常に厚着をさせていたのだが、しょっちゅう風邪をひいていたのだという。で、もしかすると、厚着をすることで余計な汗をかいたり身体の抵抗力が落ちたりしてるのではと、逆転の発想で常に薄着で過ごすようになると、ぴたりと風邪をひかなくなり、今では編集の激務にも耐えられる身体になったのだそうだ。今では、初対面の人との打ち合わせなどの時にも、彼の半袖ポロシャツエピソードは鉄板のつかみネタになってるし、いいことずくめである。

そういえば、短パンとサンダルをこよなく愛する知人のデザイナーさんもいるし、僕の周囲には薄着の人が多いようだ。というわけで、初夏ですね。

ストレスとのつきあい方

これも、仕事で書いていた原稿に出てきた話題なのだけれど。

人間という生き物は、生きているかぎり、常に誰かと関わりながら生きていく。原野の中に小屋を建ててたった一人で暮らしていても、自分自身という人間と向き合わなければならない。誰かと関わっていれば、何かしらのストレスは生じる。どんな世界に生きていても、何らかの理由で多かれ少なかれストレスは感じるものだし、それはけっしてゼロになることはないのだという。そしてストレスは、避けようとすればするほど、逆に溜まっていくものでもあるという。

ラダックのようにのどかな場所でも、それは同じだ。確かに日本のように複雑でややこしい仕組みの社会ではないけれど、周り中の誰もが知り合いという狭いコミュニティの中で、変わらない日々を生きていくことにストレスを感じている人は少なからずいると思う。あと、ジャンムーなどラダックの外にある大学に進学したラダック人の若者には、学業に悩んで自殺する人が結構多いのだという。そういう種類のストレスに対する免疫があまりないからかもしれない。

ストレスは、ゼロにするのでも、避けるのでもなく、うまくつきあって、乗り越えていくべきものなのだそうだ。何か原因がありそうなら、それに関わる人たちと話をすれば、意見が一致しないまでも、互いの考え方の違いを知るだけでずいぶん気がラクになったりするという。いきなり大きなハードルを乗り越えようとすると往々にしてしんどいので、まずはほんの小さなハードルでいいから、トライして、乗り越えてみる経験を少しずつ積み重ねていく。そうするとだんだん、自分自身の力でストレスを乗り越えていくことができるようになるのだという。

まあ、世の中、そんなにすんなり乗り越えられることばかりじゃないし、むしろ僕の場合は断崖絶壁ばかりのような気がしないでもないけど(苦笑)、自分なりによじ登る術を身につけねばと思う。

いつものように

今朝はなかなかベッドから起き上がれなかった。ここ数週間、日中は取材、夜は執筆という日々がずっと続いて、疲労がたまっていたのだろう。身体が「ノー!」とダメ出ししてるような感じだった(苦笑)。

それでもどうにか昼過ぎには起きて、コーヒーを飲み、近所のコンビニで買ったエクレアで糖分を脳に補給し、原稿に取り組む。半歩ずつでも進まなければ、いつまでたっても終わらないし、終わらせないとまずいし。

でも、今のように疲れてたり、しんどい出来事があったりする時は、きりのいいところですぱっと切り替えた方がいいのも確か。なので、夜は仕事を切り上げて、リトスタに行った。今日の店内は満席で、ヘルプに来た顔なじみの元スタッフさんたちがちゃきちゃきと行き来していて、にぎやかでなごやかな雰囲気だった。たけのこの木の芽フライ、たけのこチャーハン、いちごババロア。いつものように、笑いながらごはんを食べられることの幸せ。

ごちそうさまでした。明日からまた、半歩ずつでも、がんばろう。

四月の雪

雨に時折雪が混じる、寒い一日。四月とはとても思えない。

今日は朝から向ケ丘遊園の方で大学案件の取材があったのだが、至るところで電車が遅れていた。僕自身は予定の時間に間に合ったものの、それ以外の関係者が全員遅れたので、取材の時間も押して、おひるも食べられないまま午後の取材に突入。ひもじかった‥‥。隣に座っていた営業さんのおなかもきゅるきゅる鳴っていた(笑)。

取材を終えた後、恵比寿に移動。AFURIで柚子塩ラーメンを食べて一息ついて、今日から始まる竹沢うるまさんの写真展へ。風合いのある紙の質感と相まって、時に絵画のようにすら見える美しい佇まいの作品を堪能。その後は京橋に移動して、たかしまてつをさんの手帳絵&品々絵展へ。見ていて何だかほほえましく、でも時にはっとさせられる作品の数々。文具店の二階という展示空間そのものもすごくよかった。

そんなこんなで、四月の雪の中を駆けずり回った一日。今しか見られないものは、見られるなら、見ておくべきだと思う。

唐揚げの男

昨日は夕方から綱島のポイントウェザーで、「撮り・旅!」つながりのみなさんを中心にした、ゆるい飲み会。営業終了後の店内をお借りして、各自何か一品、食べ物か飲み物を持ち寄る形での宴だった。

先週は忙しすぎて、宴に何を持っていくか考える余裕もなかったので、行きしなに吉祥寺のアトレの食品売り場をうろうろしていると、こぢんまりとした唐揚げ屋さんを発見。「これが嫌いな人はまあそういないだろう」と思い、唐揚げを買うことに。宴には10人くらい集まりそうだったので、20個入りのセットを注文してみた。

すると、この唐揚げ、一個々々が思いのほかでかい。透明なプラスチックのふたの中に、みっちり唐揚げの詰まった大きなケースを渡される。それを手に持ってるビジュアルだけで、何か必要以上に浮かれた感じの人になってしまったのだが、さらに、まあ当たり前のことだけど、ものすごくうまそうな匂いがぷんぷんするのだ(苦笑)。

井の頭線と東横線、それなりにたくさん人が乗ってる中で、おなかのすく匂いを車内いっぱいに漂わせながら、大量の唐揚げが詰まったケースを膝の上に抱えていた、僕なのであった。