Tag: Editing

自分へのインタビュー

夕方、メールが届いた。先月、自分がインタビューされた時の原稿が、内容確認のために送られてきたのだ。

添付ファイルを開いてみると‥‥うーん、これは‥‥(苦笑)。文章がいい悪い以前に、基本的な部分の情報が、ことごとく間違っている。ちょっと本やネットで調べれば、すぐわかることなのに‥‥。コメントの抜き出し方もチグハグで、この文章で僕に何を言わせようとしているのか、僕でさえ理解できない(苦笑)。

「こことここを直してください」といった修正指示ではとてもフォローできないレベルなので、先方と相談した結果、「じゃ、僕が自分でリライトします」という結論になった。その後、夜半過ぎまで、このリライト作業にかかりきり。

自分がインタビューされた原稿を、自分でリライトする。シュールだ(苦笑)。あの日、わざわざ出かけて、二時間近くも一生懸命しゃべったのは、何だったんだろう‥‥。まあ、間違った情報を載せられるよりは、ずっとましだけど。

経験という足枷

夕方、今関わっている案件の依頼元から電話。で‥‥ひさしぶりに、やっちまった。電話口でのケンカ。あんなことでカッとなってしまって、我ながら大人げない。頭にきた原因はまあいろいろあるのだが、事前にちょっと準備したり説明してくれたりしていれば簡単に回避できたはずの作業が、先方がそれらを怠ったためにこちらが二度手間、三度手間となっているのが、共通した問題。

編集者という仕事は、ライターやデザイナーをはじめとする周囲のスタッフが、できるだけ円滑に気持よく作業ができるように配慮するのが大きな役割の一つだと僕は思っている。その際、経験が豊富かどうかは実はあまり関係ない。駆け出しの編集者でも、丁寧に心配りをしてくれる人は大勢いる。むしろ、中途半端にキャリアを積んで「自分は仕切れる」と思っている(あるいはただ思い込んでる)編集者の方が、相手の手間を考えなくなったり、仕事が雑になったりしがちになる。経験が足枷になっているわけだ。

今回のやりとりで一番失笑したのが、データを納品する際のファイル名の付け方の件。Mac上でZIP圧縮したデータをWindowsで解凍すると、ファイル名の2バイト文字が文字化けしてしまうので、今回はアルファベットにリネームして納品したのだが、「こちらの指示した日本語ファイル名で納品できないなら、そちらのパソコンにWindowsをインストールしてはいかがですか?」と言われた。そんなことするくらいなら、この依頼、最初から断ってる(苦笑)。

しかしこの世の中、便利なものはあるもので、Windowsでも文字化けしないZIPファイルが作れる「WinArchiver」というアプリがあることを友人に教えてもらった。いやー、Mac最高(笑)。

「いちばんわかりやすい電子書籍の本 自分で書く、作る、配る、売る方法」

いちばんわかりやすい電子書籍の本 自分で書く、作る、配る、売る方法
文:山本高樹・栗原亮
価格:本体1500円+税
発行:エムディエヌコーポレーション
A5判192ページ
ISBN978-4844362098

知人のライター栗原亮さんとの共著が発売になります。電子書籍を自分自身で作り、配布・販売するまでの方法を、初心者の方にもわかりやすい形で紹介しています。僕はこの本全体の企画・編集と、前半部分に収録された電子書籍の企画・執筆・編集のノウハウの執筆を担当しています。同じ内容を収録した電子書籍版も、少しお買い得な価格で発売されるそうです。

校了とか、重版とか

午前中から、原宿にある知人の編プロで仕事。厄介な案件を一つ片付けた。来週前半まで使って作業をすれば、インドに行く前にすべて終わらせることができそう。

仕事の合間にメールをチェックすると、この間入稿した書籍の色校正作業中に、見逃していた誤植が発見されたとの報せ。あちゃーと思ったが、版元の編集者さんのおかげで、どうにか事なきを得て、校了することができた。ふー。

その後、別の出版社の編集者さんからメール。僕が編集を担当して、去年の初めに発売されたWeb文章術の本が、一年半の月日を経て重版されることになったらしい。発売直後からバンバン売れてジャンジャン重版がかかるなら、もちろんそれに越したことはないのだが、地味ながらもじわじわと売れ続けて、忘れた頃に重版がかかる方が、個人的にはうれしい。はやりすたりに関係なく、本自体の素性の良さや底力を、読者に証明してもらえたような気がするから。

校了とか、重版とか、編集者冥利に尽きる出来事に恵まれた一日だった。

いい編集者、ダメな編集者

今日は朝から緊急事態発生で、バタバタしっぱなし。どうにかメドは立ったが、これが不測の事態というやつか‥‥。

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このブログで時々書いている、編集者という仕事についての話。僕もそこそこキャリアが長いので、今までいろんなタイプの編集者の方と仕事をしてきたが、周囲が認める優秀な編集者と、そうでない編集者との間には、どんな差があるのだろう、と折に触れて考えていた。クリエイティブのセンスの優劣というのは、その人の得意分野や読者の好みにも左右されるから、簡単には比べられない。でも、そうではないもっと基本的な部分で、両者の差を分ける決定的な違いがある、と僕は思う。

いい編集者は、スタッフに仕事を「やっていただく」と考える。ダメな編集者は、スタッフに仕事を「やらせる」と考える。

実際、一事が万事、このスタンスの違いがすべてではないだろうか。編集者はあくまで「黒子」であって、間違っても「黒幕」みたいな気分になってはいけないのだ。でなければ、さまざまな業種のスタッフを結束させて、いい本を作れるわけがない。少なくとも僕は、「こいつにやらせとけ」とふんぞり返っているような編集者のために、心を込めて仕事をしようとは思わない。

最近、僕が携わっている仕事で、こういう違いを如実に感じる人々と関わる機会があったので、書いてみた次第。