荷造り再び

明日から、母の旅行の付き添いで、二週間ほどアラスカに行かねばならない。なので、今日はその荷造りをば。

今回の旅は期間も短いし、取材の仕事でもないので、ラダックに行く時に比べると荷物はだいぶ少なめ。寝袋も必要ないから、ひさしぶりにグレゴリーのデイ&ハーフパックを使う。この間買ったベルボンの三脚をフリースジャケットにくるみ、ゴアテックスのパーカ、ソフトシェル、トレッキングパンツ、替えの下着、洗面道具などを詰めると、ちょうどぴったり収まった。撮影機材は長年の酷使ですっかりボロボロになったロープロのカメラバッグに詰めたが、こちらもいつもよりは軽め。全体的にずいぶんコンパクトにまとまった。

先日、今回の旅を手配した旅行会社から電話があって、「ベテルスやカトマイに行く時に乗る小型飛行機には大型のトランクは積めないので、三、四泊分の荷物を入れるバッグを別に用意してほしい」と言われたのだが、僕の場合、全部の荷物が三、四泊分くらいしかない(苦笑)。ま、自分で全部ひょいひょい運べるくらい身軽なのはいいことだ。

帰国は9月14日(金)夜の予定。ではまた。

山ライオン

一昨日、MacBook ProのOSをSnow LeopardからMountain Lionにアップデートした。2009年にMacBook Proを買った時はSnow Leopardがリリースされた直後だったから、二世代分のジャンプアップということになる。

Snow Leopardは動作が非常に安定していた優れもののOSで、普段の仕事で使ってる分にはまったく不自由を感じてなかったし、かえって不安定になってしまったという評判だったLionに乗り換える気はさらさらなかった。その後、山ライオンになってだいぶ安定したという情報を聞き、iCloudを中心にしたデータのデバイス間自動同期(といっても使うのはカレンダーとアドレス帳くらいか)をやってみたかったので、意を決してアップデートしてみたという次第。

乗り換えた感想は‥‥可もなく不可もなくといったところか。細かい部分がいろいろブラッシュアップされてはいるけれど、たまに挙動がもたつく印象の時もあるし(三年前のノートだからある意味仕方ないが)。Safariからフォント指定とRSS機能が省かれたのにもびっくり。でも、しばらくいろいろ使ってるうちに、それなりに「こんなものかな」と馴染んできたのも確かだ。

次に一眼レフを(たぶんD800あたりに)買い替えたら、ディスプレイやストレージも含めた今のMacBook Proの性能では明らかに役不足なので、MacBook Pro Retinaに乗り換えて、Thunderbolt接続の外部ストレージも導入する必要に迫られるとは思う。そう遠くない将来に‥‥。とりあえず、その資金を稼ぐためにも、きりきり働かねば。

飲み会続き

一昨日、昨日、そして今日と、三日連続で飲み会だった。

一昨日はリトスタ。昨日は吉祥寺南口にあるオーツキ食堂というバルと、ハバナムーンをハシゴ。そして今日は、中野で仕事の打ち合わせの後、中野ブロードウェイ近くの飲み屋街にある小さな韓国料理店で。インドから戻ってきていきなり立て続けにお誘いいただいて、ありがたいことではある。

三日間とも酒量は控えめにしておいたのだが、それでもたらふく飲み食いしてることに変わりはなく、スピティの山の中を歩き回ってるうちにごっそりこそげ落ちた身体のぜい肉も、いくぶんリバウンドしてきた気配。ま、いいか。

都心をぶらつく

何だかんだで暑いので、目覚ましをかけてなくても、結構早い時間に目が覚める。シャワーを浴び、ラジオを聴きながらインスタントラーメンを作って食べる。

昼頃、Tシャツにクロップドパンツ、サンダル姿で出かける。総武線に乗って秋葉原へ。オーロラ撮影用に新しい三脚を物色し、ベルボンのULTREK UT-43Qを購入。全高150センチまで展開できる割には信じられないくらいコンパクトで、これなら余裕でグレゴリーのバックパックに突っ込んで持って行けそう。

その後、水道橋に移動して、神保町界隈のアウトドアショップをぶらぶら。結局トレッキング用ソックスを買い足しただけだったのだが、ウェアからシューズからクッキングツールまで、いろんなグッズを見ながらあれこれ想像を膨らませるのは愉しかった。アラスカから戻ったら、また都内近郊の山歩きをぼちぼちやろうかな。

「おおかみこどもの雨と雪」

細田守監督の最新作「おおかみこどもの雨と雪」は、日本に戻ったらすぐ観に行かなければ、とずっと気になっていた映画だった。で、昨日新宿の映画館に行くと、上映の二時間前からすでに席が売り切れていて、別の映画館でようやくすべり込めたという次第。

東京の西の外れ(国立らしい)の大学に通う花は、人間の姿に身をやつして生きる“おおかみおとこ”と出会って恋に落ち、一緒に暮らしはじめた。やがて二人の間には、雪の日に生まれた姉の「雪」と、雨の日に生まれた弟の「雨」という“おおかみこども”が生まれる。しかしある日、父親の“おおかみおとこ”はあまりにも唐突に命を落とす。大切な心の支えを失った花と二人の子供たちは、東京を離れ、人里離れた山奥の古民家で暮らすようになった‥‥。

人間とおおかみの二つの顔を持つ“おおかみこども”という設定はまぎれもなくファンタジーなのだが、この映画での花と子供たちの暮らしぶりは、とても丁寧で細かく、地味といっていいくらい現実味のある描かれ方をしている。「時をかける少女」のような切なく甘酸っぱい青春物語でもなく、「サマーウォーズ」のように爽快な冒険活劇でもないけど、この「おおかみこどもの雨と雪」では、穏やかで何気ない、でも確かなものが語られている。

子供が成長し、自分の居場所ややりたいことを見つけると、やがて、自分の生き方を選ぶ時が来る。子供にとってそれを選ぶのは覚悟が要ることだが、親にとっても、子供が生き方を選ぶのを黙って見守ることには勇気が要る。僕は親の立場になった経験はないから偉そうなことは言えないけれど、子供が誇りを持って生き方を選べる人間になれるように育てることは、親の一番大切な役割なのではないかと思う。昨年他界した僕の父は、僕が進学や仕事に関わることでどんな選択をしても、ずっと僕を信じて、辛抱強く見守っていてくれた。そのことには、本当に感謝している。

雨が自分の生き方を選んだ時、花は笑顔で「しっかり生きて!」と言った。あのひとことに、この映画のすべてが込められていたような気がする。