いつもの味

昼、東小金井へ。今年初のインド富士で、ブリと大根のカレーのおひる。ここの魚カレーには不思議な甘味があって、本当においしい。その後は、立川のオリオンパピルスをひさしぶりにぶらつき、西国分寺のクルミドコーヒーで一服。帰りしなに、クルミドのコーヒー豆を購入。

最近、好きな喫茶店やカフェでコーヒー豆を買って、家で淹れて飲むということを楽しんでいる。我ながら優雅な楽しみ方だな(笑)。どの店のコーヒーもそれぞれ独特で、とてもおいしい。

でも、そうして飲んでる中であらためて気付くのは、いつも飲んでる地元三鷹のまほろば珈琲店のコーヒーのすごさ。何というか‥‥僕みたいな普通の人間が、特にテクニックを弄することもなく、ごく普通にドリップして、それであの味が出るというのは‥‥ほんと、ハンパない安定感だ。

当たり前のように、いつもの味のコーヒーが買えて、家で飲めるという恵まれた環境。ありがたいなあと思う。

「南極料理人」

「南極料理人」たぶん三年くらい前に公開されてたのだが、見たいと思いつつ見逃してしまっていた映画「南極料理人」を、Apple TVで借りて観た。

南極観測越冬隊の調理担当として、南極のドームふじ観測拠点に赴任していた方の実話を基にした映画。この基地、南極の中でも標高3800メートルのひときわ寒冷な場所にあり、平均気温はマイナス50度、寒い時はマイナス70度まで下がるという。あまりに寒すぎて、生物もウイルスも生存していないそうだ。この極限の地を舞台に、八人のむさ苦しい男たちが、なんてことない日々を過ごすという物語(笑)。そのギャップが面白いのだけど。

この映画のテーマはとてもシンプルで、「みんなで食べるごはんはおいしい」ということに尽きる。長く単調な観測生活でささくれた心も、一緒にごはんを食べていると、少しずつときほぐれていく。一つのおにぎり、一杯のラーメン。それが与えてくれる力は、ものすごく大きい。東京で暮らしていると、ちょっとコンビニに走ればいつでも何でも食べられるけれど、時として、食べ物のありがたみを忘れてしまいがちになる。そういえば、今くらいの季節にラダックで暮らしていた時、手に入らない新鮮な青い野菜が食べたくて食べたくて、野菜の夢を見たもんなあ(笑)。

ごはんを食べるのは、大事だ、ほんと。

隕石落下

氷雨がぱらつく、寒い午後。先週の取材の原稿もどうにか書き終え、見直しの後、メールで納品。これでひとまず肩の荷が下りた。

で、休憩しつつネットを見てると、Twitterでみんながやたら、隕石、隕石と騒いでいる。何かと思ったら、ロシアに割と大きめの隕石が落下して、衝撃波で割れたガラスなどでケガ人も出たのだとか。そんなニュースもひさしぶりだなあと思ったが、その隕石が落ちてきた様子を撮った動画が、すぐに次々とYouTubeにアップされていたのにもびっくりした。えらい時代になったものだ。

明日の未明には、隕石どころではない大きさの小惑星が地球に最接近するらしい。今夜はアルマゲドンっぽい夢を見てしまいそうな気がする。

霧の海へ

今週は、先週取材した原稿の執筆に淡々と取り組んでいる。

朝起きて、おひるを作り、コーヒーを淹れ、原稿を書く。きりのいいところで近所のスーパーに買い出しに行き、晩飯を作り、再び原稿を書く。ノルマに達したところで打ち止めて、ビールを飲み、眠くなったら寝る。まあ、今のところ執筆も順調なので、明日にはこの件も一段落するだろう。

その後は‥‥明確な仕事ともいえない、厄介なミッションが待ち構えている。正直、本当に実現できるかどうかもわからない話。たとえるなら、真っ白な霧がたちこめて何も見えない海へ、ボートで漕ぎ出すような感じだ。

これに取り組むのは、はっきり言って、とてもしんどい。避けて通れるならそうしたいくらいだ。でも、これは、僕がやらなければならないこと。そして、やれるとしたら僕にしかできないこと。だから、たとえ心をへし折られるような苦痛を味わうことになっても、僕は霧の海に漕ぎ出す。

出版社と本の作り手

昨年暮れから編集作業を担当し、先月下旬に校了した書籍の見本誌が、今朝になって届いた。

通常、印刷所から出版社に見本誌が届いたら、版元の編集者は、著者はもちろん、制作に携わったスタッフや、取材に協力してくれた方々にそれを送付する。関係者に感謝の気持を伝えるという意味もあるが、万一何か問題が残っていたら、発売前に何かしらの手を打って(訂正紙を挟むなどして)対応するための最終チェックの役割も見本誌にはある。

この本の見本誌は、一月末日には出版社に届いていた。しかし版元の編集者は、僕のほか、デザイナーの事務所やDTPスタッフにも見本誌を送るのをうっかり忘れていたのだという。結局、制作スタッフによる見本誌の最終チェックを完全にすっ飛ばす形で、この本は世に出ることになってしまった。

出版社は、見本誌を制作スタッフに送るのは忘れていたのだが、制作とは何の関わりもない、外部のIT企業のお偉いさんや、好意的な書評をブログで書いてくれそうなクリエイターには、すでに積極的に見本誌をばらまいていた。そういう形で本の宣伝に力を入れるのは別に構わない。でも、その一方で、クリスマス連休も毎日休まず出社して作業してくれたデザイナーや、インフルエンザで熱を出しながらも作業してくれたDTPスタッフのことを、そんなに簡単に忘れてしまったのか‥‥と思うと、何だか虚しくなってしまう。

この出版社には、去年も別の編集者からかなりの迷惑を被った。仕事や会社の選り好みはあまりしたくないが、正直、もう自ら進んで関わろうという気にはなれない。残念ながら。