消えていく写真店

昼、電車で新宿へ。写真を何枚か引き伸ばしてプリントする必要が出てきたので、新宿西口にあるキタムラに行く。

実は昨日、吉祥寺のヨドバシで一度プリントしてみたのだが、申し込む時にうっかり補正を相手任せにしてしまったところ、写真全体を思いっきり黄味がかった処理にされてしまった。少々なら目をつぶるが、色の転び方が完全に許容範囲を超えてしまっていたので、店を変え、補正なしにして出力し直すことにしたのだ。今度はまずまずうまくいった。

考えてみれば、写真店で写真をプリントしてもらったのも、何年かぶりだ。以前は三鷹駅北口界隈に二軒ほど写真店があり、もっぱらそこでプリントしてもらっていたのだが、今はその店もなくなってしまった。フィルムの衰退や高性能な家庭用プリンタの普及とともに、写真店はどんどん減っていく運命にあるのだろう。

フィルムカメラを使っていた頃、どこかに旅に出て帰ってくるたびに、選んだ写真を手焼きプリントで引き伸ばしてもらって楽しんでいたのが、遠い昔のことに感じられる。何だか寂しい。

タカヒロ コーヒードリップポット

タカヒロ コーヒードリップポット 0.9Lちょうど一年ほど前、自宅のコーヒーミルをカリタのセラミックミルC-90に変えたのだが、今年は湯を注ぐドリップポットを新調してみた。タカヒロのコーヒードリップポット0.9L

挽いたコーヒーに湯を注ぐと、中に含まれていた炭酸ガスが出て、ぷくーっと粉がふくらむ。コーヒーの旨味をしっかりと抽出するには、このふくらみ加減の様子を見ながら湯を注ぐ速度を微調整する必要がある。たとえば、僕がよく飲んでいる深煎りのコーヒー豆などは、湯を注いでも比較的ふくらみにくいので、本当に少しずつ、点滴のようにして湯を注いだ方がいい場合も多い。今まで使っていた月兎印のスリムポット0.7Lは、注ぎ口などの構造上、少量の湯を注ぐ時に微妙なコントロールがしにくいという難点があった。

新しく導入したタカヒロのドリップポットは、コーヒーをいれる用途に特化しているだけあって、とても使いやすい。注ぎ口が本体から同じ口径で細く伸びているため、湯を少しずつ同じ速度で注ぐことができる。湯は注ぎ口の先端から真下に落ちるので、あまりコーヒーをいれた経験がない人にも簡単に扱えるはずだ。実際に自分で使ってみても、本当に思いのままに湯の量と落とす場所をコントロールできるので、すっかり感動してしまった。出来上がったコーヒーもすっきりした味わいになった気がする。

タカヒロのドリップポットには、容量のバリエーションとして0.5L、0.9L、1.5Lが用意されているが、2人分程度をいれるのでも、0.5Lに湯を満タンにして使うよりは、0.9Lに7、8割ほど湯をいれて使う方が扱いやすいのではないかと思う(カップやサーバーを温める湯も必要だし)。あと、このドリップポットは直火にもかけられるし、0.9Lと1.5Lは電磁調理器にも対応しているが、個人的にはこれで直接湯を沸かすのはおすすめしない。やかんなどで沸かした湯をドリップポットに移し替えて使う方が、湯の温度が落ち着いて、コーヒーをいれるのに適した状態になるからだ。

製造元のサイトには、金メッキや銅メッキ、取っ手に籐巻など、いろんなバリエーションが用意されていて、なかなか壮観。僕のはごくベーシックな仕様のものだが、もうちょっと変態仕様にすべきだったかな(笑)。まあいいや。

暖房改革

この冬、うちの部屋ではまだ、暖房にエアコンを稼働させていない。机の下の足元でデロンギの小さなオイルヒーターを使ってはいるのだが、それ以外の暖房はいっさいなし。

うちの部屋に備え付けのエアコンはかなり古く、音がうるさい上に電気代も食うという代物。前から使うのにあまり気が進まなかったのだが、去年の夏、バルミューダのGreenFan miniを導入してからエアコン冷房の使用頻度をかなり減らすことができたので、冬もなるべくエアコンを使わないようにできないかなと思ったのだ。

とはいえ、机の下の小さなオイルヒーターだけでは、十分に暖を取るにはやや力不足。でも、その不足分は、ものすごくシンプルな方法で埋めることができそうだ。つまり、厚着をするということなのだが(笑)。

厚着といっても、やたらめったら服を着込んでるというわけではない。ポイントは、靴下と腹巻だろうか。靴下は昔、ザンスカールのチャダル・トレックで履いていた極厚ウールの登山用ソックス。これを薄手のソックスの上から履く。腹巻は前に人からもらったごく普通のものだが、こうしてポイントを絞って保温するだけでも、体感温度にはかなりの差があると思う。あとは、着古した薄手のダウンとかを羽織っていれば、ほとんど問題ない。

一月と二月でどれくらい冷え込んでくるかわからないけど、この調子でいけば、冬のエアコンの稼働時間は最小限に抑えることができそうだ。電気代も節約したいし、がんばろ。

キャッチボール

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

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年末年始の数日間は、岡山の実家で過ごした。近くに住む妹一家が泊まりに来たりしていたので、なかなか一人でくつろがせてはもらえなかったが(苦笑)。

大晦日の朝、母が僕に「ケン(上の甥っ子)とキャッチボールをしてきたら? あそこの公園で」と言った。その前の日、甥っ子は彼のパパに新しい子供用グローブとボールを買ってもらっていたのだ。

「いや、でも俺が使えるグローブないし」
「あるよ、外の物置に。お父さんのが」

そのグローブは、他界した父が少なくとも四十年前から使っていたものだった。元の色がわからないくらいに色褪せ、革ひもが切れてしまった部分は父が別の適当なひもで繕ってあった。へにゃへにゃで心許ないが、子供が相手なら使えなくはない。僕はそのグローブを手に、生まれて初めてのキャッチボールに舞い上がる甥っ子と、近くの公園へ歩いていった。

甥っ子くらいの年の子供を相手にキャッチボールをするのは、僕にとっても初めての経験だった。甥っ子が投げるボールはしょっちゅうとんでもない方向に飛んでいくし、こっちがゆるく投げ返しても怖がって逸らせてしまうしで、なかなかテンポよくとはいかなかった。それでも時々、スパン、とボールがグローブに収まる乾いた音を聞くと、僕は不思議な気分にならずにはいられなかった。

子供の頃、僕は父と、家の前の道路でキャッチボールをしていた。僕はそんなに運動神経がいい方ではないし、野球もあまり好きではなかったのだが、父とキャッチボールをするのは楽しかった。ピュッ、と投げたボールが、スパン、とグローブに収まる。ただそのくりかえし。でも、その時の感触は、今も記憶の深いところに残っている気がする。

あの時、子供の僕が投げたへなちょこボールを受け止めていた父のグローブを、今は僕が手にはめて、甥っ子のボールを受け止めている。ピュッ、スパン。ピュッ、スパン。甥っ子の心の中にも、このキャッチボールの感触は残っていくのだろうか。

来年はいろいろと

今日は一日、家でのんびり過ごす。部屋中に掃除機をかけて、気分的にもすっきり。帰省のための荷造りは、あっという間に終わった。

来年の二月上旬頃、とあるグループ写真展への出展のお誘いをいただいたので、その写真選びと展示のシミュレートなどをぼちぼちとやってみる。枚数が限られているし、他の出展者の方との兼ね合いもあるので、地域や時期を絞り込んで、キュッとコンパクトにまとめようと思う。地味だけどじわじわくる、みたいな感じで(笑)。

来年はそのグループ写真展だけでなく、自分の写真を人に見てもらうための場を、何度か設けられればと思っている。それに合わせて、本も形に‥‥できるといいな。いろいろとがんばらねば。こだわりでも意地でも、とことん貫き通せば何かにつながるはず。

明日12月30日から1月2日まで、実家に帰省するため、ブログの更新をお休みします。よいお年を。