夏風邪

何年かぶりに、風邪をひいた。もう、夏風邪というべきなのだろうか。

1週間ほど前から、変に鼻が詰まったり、急に咳が出たりしていて、それがなかなか治りきらない。熱はまったくないし、身体のだるさも皆無、食欲も旺盛なのだが、とにかく鼻詰まりと咳が鬱陶しい。

本当にここ何年もの間、冬のさなかでも風邪らしい風邪はまったくひかず、けろっとして過ごしてきたのだが、今頃になってこのていたらく。思うに、しばらく前からの猛烈に忙しい状態がほんのちょっと一段落して、ほっとした気の緩みから、こんなことになったのかもしれない。

早く治ってくれないかな。鼻が詰まって夜中に目が覚めてしまうのは、ほんと、めんどくさい。

文禄堂荻窪店の選書フェア参加のお知らせ

東京・荻窪にある文禄堂荻窪店で、5月13日(金)から約1カ月ほど、旅にまつわる本の選書フェアが催されます。これは旅人の求人サイト「SAGOJO」が企画を担当した「働く旅人が選ぶ、働かない旅人の本棚」というフェアで、僕もそのお題に準じた本を数冊選んで、コメントとともにおすすめさせていただいています。何を選んだのかは見てのお楽しみということで。

選書フェアの棚では、別の方がおすすめしてくださった「ラダックの風息[新装版]」が数量限定の未収録エピソード小冊子とポストカード2種を同梱した「限定特典セット」状態でお取り扱いいただいています。近くにお立ち寄りの際は、ぜひフェアの様子をご覧になってみてください。

ロールアップ

去年だったか、何年かぶりに新しいジーンズを買った。ほどよくラフな風合いで、穿き心地もよくて気に入っていたのだが、一つだけどうにかならないかなと思っていたことがあった。

歩いていると、両足の裾がスニーカーのシュータンと足首の間に挟まってしまうのだ。もう少し裾が長いか、あるいは逆に短ければ問題ないのだが、僕の足とそのジーンズの長さ(ちなみに裾上げはしていない)とのマッチングが、たまたま裾がシュータンのところに挟まってしまう長さになってしまっていた。たいしたことないと言えばそれまでだが、歩き続けるにはやっぱり気になってしまうので、このジーンズを穿く時は自然とシュータンのない靴(スリッポンやサイドゴア)を選ぶようになっていた。

で、この間のある日。うっかりこのジーンズにスニーカーを合わせて出かけてしまい、歩いてるうちに、あれ、挟まるぞ、困ったな、となり……。

ええい、もう、折り返しちまおうか。

この年になってジーンズのロールアップなんて、と正直躊躇したのだが、それ以上に裾が挟まるのがうっとうしかったので(苦笑)、くるっ、と1回折り返してみた。するとどうだ。劇的に穿き心地が改善。歩きやすく軽快になった。当たり前か。

そんなわけで、いい年こいたおっさんですが、最近は裾まくって、足首見せてます。

アクセルをゆるめて

世間で言うところのゴールデンウイークも、今日で終わりらしい。今年は隙間の平日にうまく休みが取れれば大型連休にできたので、海外に行った知り合いも多かった。

僕はというと、途中で里山歩きを少ししたり、ジャイルスのフェスに行ったりはしていたものの、結局、ほぼずっと仕事の続きだった。6日に取材が入っていたし、連休前までの取材分の原稿、Web連載の原稿、十日後のトークイベントの準備など、いろいろあったのだ。まあそれは仕方ない。むしろ、連休の影響で外から余計な電話やメールが来なくて静かだったので、作業がはかどって助かったくらいだった。

これからしばらくは、僕自身が進行をコントロールできる仕事の割合が増えるので、かなりほっとしてもいる。それで今になってあらためて感じているのは、俺、疲れてたんだな、ということ(苦笑)。文字を目で追うのが気持ち悪くなるくらい短期間で大量の原稿を書いていたし、取材であちこち長時間出歩いて身体も気力も消耗していたし、正直どうでもいいアホらしいことに振り回されたりもしてたから、当然の結果とも言える。

ちょっとアクセルをゆるめて、しっかり休もう。ちゃんと寝て、自分でメシ作って食って、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む。たとえほんのかりそめでも、そういう時間が必要だ。でないと、心がぱさぱさになる。

バトン(reprise)

僕らはみな、誰かから受け取ったバトンを手に、何処かに向かって走り続けている最中なのだと思う。

何かを諦めるしかなかった人。この世界から立ち去っていく人。いろんな人から手渡されたバトン。受け取った、と勝手に思い込んでいるだけのバトンもあるかもしれない。それでもそれは、人が走り続けようとする理由にはなる。

そうして、しゃにむに走り続けていた人にも、いつかは、別の誰かにバトンを手渡さなければならなくなる時が、必ず来る。

だから僕は、いつか自分にその時が訪れるまで、走れるだけ走り続けようと思う。どんなにのろくて、ずっこけたりして、みっともなかったとしても。次の誰かに、バトンを手渡すまで。