自分の才能のなさに気付いた時

生きている中で、何かに対して、一生懸命に取り組む。勉強とか、スポーツとか、音楽、絵画、文章、写真……。そうして何かに夢中で取り組んでいるうちに、ほとんどの人は、その分野での自分の才能の限界に気付く。

才能というのは、その人が持って生まれた素質と、後から努力によって身につけることのできる能力とに分かれる。努力を積み重ねればいつか必ず報われる、と信じたいところだが、そんな努力の積み重ねすら軽々と凌駕してしまう圧倒的な素質の持ち主は、世の中に確かにいる。真摯に取り組めば取り組むほど、その差を思い知らされることになる。

才能の比べ合いで頂点のレベルに到達できる人は、この世にほんのひと握りしかいない。では、それ以外の人は、何かに対して取り組む価値すらないのだろうか? そんなことはない、と僕は思う。分野にもよるが、誰が誰より上か下かという才能の比べ合い自体には、本質的な価値はない。それよりも大切なのは、何のためにそれに取り組むか。何を成し遂げ、何を生み出し、何を伝え、何を残すのか。才能がないならないで、手持ちの限られた武器でどう戦い、どんな結果を目指すのかを考えればいい。

自分の才能のなさに気付いた時。そこからが本当のスタートなのではないかと思う。

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