取材で水戸へ

日帰り取材で、水戸へ。去年のGW前に行ったのと同じ大学だ。東京駅から特急に乗って、水戸まで1時間以上かかる。水戸駅からはバスで20分。乗り継ぎ時間も半端ないし、やれやれという感じの遠さである。

こういうしんどい遠距離取材の時は、せいいっぱいおいしいものを食べてないとやってらんないので、往路は去年と同様、東京駅地下でイベリコ豚重弁当を調達。取材を終え、ヘロヘロになって東京駅に戻ってきた時は、八重洲地下のエリックサウスで、サバと焼きネギのアチャーリーフィッシュ。おかげでだいぶ癒された。食べ物の力はすごい。

しかしまあ、少しは平和になるかと思ってた5月、全然その兆しが見えない……6月も厳しいことになってきてるし……早くラダックに逃げたい……。

海賊王

今日は暑くなった。もうすっかり、初夏といっていいくらい。午後からの写真展会場の在廊には、夏っぽい服装で出かけることにした。

足元はビルケンのサンダル。紺色のクロップドパンツ。えんじ色のTシャツ。頭には最近よくかぶっている、円いつばのついたデニムの帽子。

いい天気だなー、とうかれ気分で家を出て、しばらく歩いて、通りがかった建物のガラスの壁面に映った自分の姿を見て、はっと気付く。

……ほぼルフィじゃん、この格好。帽子が麦わらでないだけで。

海賊王きどりの、ええ歳こいた、イタイおっさんであった。

想定外の露出

今週の水曜、リトスタで今やっている写真展について、ケーブルテレビ局から取材を受けた。その話をもらった時は「まあ、家でケーブルテレビのローカルニュース番組を見てからこの写真展に来る人なんて、ほとんどいないだろうし」と、軽い気持ちで引き受けたのだった。

ところが、在廊していた昨日、「歩いてたらこの写真展の情報をテレビで見たので」という人が来た。「歩いてたら? どゆこと?」とちょっと訝しく思っていたのだが、今日来られた人も「ニュースでやってたのを見ました」と言う。しかも「駅のモニタで見ました」と。聞くと、駅の構内や近辺に設置されているデジタルサイネージの大型モニタ画面には、ケーブルテレビ局などによるローカルニュースの情報も配信されているのだという。

……なんてこった。完全に想定外だ。恐ろしいほど不特定多数の人が行き来する駅で、僕のしけたツラがでかでかと表示されているなんて……(汗)。

駅に近づくのが、すっかり怖くなってしまった。やれやれである。

活動限界

昨日の午後は、リトスタでの写真展の件で、ケーブルテレビ局からの取材を受けた。冷静に考えると、3月末からやってる写真展の情報を、なんで会期残り10日ほどの今になって、とも思うのだが……。まあ仕方ない、断る理由もないということで、粛々と対応し、カメラの前で30分ほど質問に答えた。

で、その後は電車で恵比寿に移動し、駅前でラーメンを食って腹ごしらえをした後、代官山蔦屋書店へ。三井昌志さんとのスライドトークイベント、毎度のことながら緊張して、終わった後も記憶は真っ白だったが、どうにかこうにか乗り切れた、と思う。関係者の方々や、見に来てくれた人たちも喜んでくれてたし。

それにしても、同じ一日のうちに、テレビ取材対応とトークイベントのコンボとか……。今までももちろんなかったし、これからもないだろう。緊張と気疲れとで、活動限界は完全に超えていた。やれやれである。

積み残し、なし

ラダックの風息[新装版]」が発売されてから、1カ月半ほど過ぎた。出版記念関連のイベントや展示は、今月も来月もその先も、まだまだいろいろ続くのだが、この本に対する自分の気持は、ある意味とてもすっきりと整理できたように思う。

ああ、これでやっと、積み残しがなくなったな、と。

ラダックで一人、無我夢中の体当たりであちこち旅をしながら過ごしていたあの頃から、今に至るまでの日々。撮り続けてきた写真、書ききれないでいた言葉。それらをようやく、一番納得のいく形で、一冊の本に凝縮させることができた。だからもう、今までの自分が取り組んできたことをふりかえって気にかける必要はない。これからの自分が何をすべきなのか、何を新たに積み上げていくべきなのか、そのことに集中していける。今、はっきりと、そういう気持になった。

ラダックで、あるいは別のどこかで、何かを追い求めて。その姿は少しずつ、うっすらと見え始めている。