Category: Diary

観客の役割

昨日の夜は、渋谷で開催された畠山美由紀のライブに行ってきた。

彼女の本格的なホールライブに足を運んだのは初めてだったが、圧倒的な歌唱力と盤石な演奏が見事に噛み合った、素晴らしいパフォーマンスだった。「わが美しき故郷よ」の詩の朗読と歌は本当に泣けたし、アンコール前の「What a Wonderful World」のパワフルな演奏には思わず叫び出したくなるほどだった。

ただ、その一方で残念だったのは、観客の側のマナー。平日の夜とはいえ、これだけ遅刻して入ってきた人の多いライブは初めてだったし、中盤にさしかかってからも、席を立って外と内とを行き来する人がすごく多かった。デリケートなバラードの歌声に集中しているさなかに前を行ったり来たりされると、まったく集中できなくなる。たぶん、ステージ上からもよく見えてたんじゃないかな。キース・ジャレットとかだったら、怒って演奏を中止して、帰っちゃったレベルかもしれない(苦笑)。

観客にも、ライブでともに素晴らしい時間を作り上げるために果たすべき役割がある。周囲の他の人に、できるだけ迷惑をかけないこと。ささやかな、当たり前のことだけど、なるべく守ってほしいなと思う。

心を踏みにじる

今日は、チベット暦の一月一日、ロサル。チベット人にとって、ロサルは一年で一番盛大なお祝いの日。近くのゴンパ(僧院)にお参りした後、親戚やご近所さんの家々を訪ねて、飲めや歌えや踊れやのどんちゃん騒ぎが繰り広げられる日‥‥のはずなのだが。

今年のロサルを、心からの笑顔で迎えたチベット人は誰もいない。一年以上前から続くチベット本土での僧侶や一般人の焼身抗議者への弔いと、彼らに対してさらに弾圧を強める中国政府への抗議の意を込めて、チベットの人々はロサルのお祝いを慎んでいる。

滑稽なのを通り越して呆れてしまうのは、そんなチベット人に対して、中国政府が「ロサルを祝え! だが、寺院への参拝はするな!」と強要していること。同胞のために命を散らせた者たちを悼む心。敬虔な信仰を守り続ける心。人として当たり前の権利を持って生きたいと願う心。そういったチベットの人々の心を、中国政府は泥まみれの靴で踏みにじり、唾を吐いている。

そうした現実を、所詮は他人事だから、何かと都合が悪いから、と見て見ぬふりをしている人たちもまた、同じ穴のムジナだ。

執筆から編集へ

今日も昼の間は外で道路工事のドリルが景気よく轟いていたので、本格的な仕事開始は夜から。どうにかこうにか、ガイドブックの草稿の推敲を終える。本当はもっと見直したい気もするが、きりがないし、先は長いので。メールに添付し、編集者さんに送信。ふー。

これで、「執筆」という作業が終わり、「編集」という作業に突入する。考えてみれば、これまで自分が全体または一部の執筆を手がけた本で、編集にノータッチだったものは二冊しかない。ほとんどは企画段階からどっぷりと関わっているので、編集にも当たり前のように関わっているのだが。今回の本は、最初から最後のページまで、すべて自分で構成を決めているので、編集もがっつりやる。

ガイドブックのような本では、編集にものすごく手間がかかる。ちまちまとした細かいチェックを気が遠くなるほど積み重ねて、ある意味、小説や読み物以上に、心を砕いて手をかけなければならない。かの地を旅する人、憧れる人に、役立ててもらうために。

いよいよ佳境。がんばろう。

今年も金柑

昨日の夜中、領収書やら何やらの整理をして、今日は近所の税務署に確定申告をしに行った。なんと、申告会場の入口から長蛇の列。どうなることかと思ったが、一時間半ほどで手続きを終え、書類を提出。まとまった額の還付金が入ると思うとちょっと嬉しいが、元はといえば自分のお金なわけだから、別に儲かったわけじゃないんだよな‥‥。

申告の後、電車に乗って立川に行き、オリオンパピルスなどをぶらつく。電車の中も、街の中も、マスクをしてる人、ゴホゴホと咳き込む人、やたら多い。流行ってるんだな、風邪というかインフルエンザ。とりあえず、今のこの忙しい時期に倒れるわけにはいかないので、帰りに三鷹南口の一富士に寄って、金柑を一パック買った。一日一個、金柑をぱくっと食べてると、風邪をひきにくくなるらしい。

ブログの過去ログを見返すと、去年の一月にも金柑を買ったと書いてある。ちょうど、今作っているガイドブックの企画を出版社に持ち込みに行く直前。あれから一年。僕はどのくらい前に進んでいるのだろう。

カレー茶漬け

この三日間、脇目もふらずに原稿の推敲作業に没頭している。とはいえ、やっぱり腹は減る。今日も晩飯は自炊した。豚肉とチンゲンサイと玉子の炒め物。仕上げの水溶き片栗粉がちょっと多すぎて、見た目が残念なことになってしまったが(苦笑)。

で、炊きたてのごはんをもりもり食べ、軽くおかわりしてお茶漬けにしよう‥‥と思ったところで、お茶漬けの素が切れてることに気付く。しまった‥‥いや、でも、引き出しの下にひと袋残ってた。黄色い袋が。

‥‥カレー茶漬け?

これは、永谷園がこの時期に「受験生応援企画」と称しておまけにつけてるものらしい。しばらく逡巡した後、ま、いいか、とごはんの上に開けてみる。すると、黄色い粉が。カレーの匂いが。‥‥大丈夫なのかこれ。おそるおそる、お湯をかけ、ザクザクとすすり込んでみる。

‥‥うん、いらないね、カレー。お茶漬けのさっぱり感が、まったく消え失せてるね(苦笑)。やれやれ。