Category: Diary

グラマのスプーン

終日、部屋で原稿を書く。夕方、晩飯を食べにココイチへ。毎年2月から3月まで限定で出るグラマ(グランドマザーカレー)を注文すると、店員さんが「くじを引いてください」と箱を持ってきた。引くと、当たり。スプーンがその場でもらえた。

このスプーン、今年だけで2本目。グラマを2回食って、2回とも当たったのだ。さらに言うと、このスプーン、これまでに合計4本当たったことになる。うちに友達を大勢呼んでカレーパーティー開いても大丈夫な計算だ。やらないけど。

まあ、毎年2カ月で全国で20万本配っているスプーンらしいから、そこまでレアなケースではないのかもしれないが、こういうところで微妙に運を消費するくらいなら、もうちょっとほかのところに運を回したいものだ。人間の持っている運なんて、結局、死ぬまでにはプラマイゼロになるんだから。

本の旅立ち

今日は朝から夕方まで、雷鳥社の担当編集さんと「ラダックの風息[新装版]」の件で都内の書店さんにご挨拶回り。立川、荻窪、新宿、池袋、丸の内、神楽坂……。たくさん回るつもりだったけど、やっぱり全然時間が足りない。また日を改めて回らねば、と思う。

肝心の本は、すでに入荷しているところもあれば、まだ入っていないお店でも新規で注文していただけたりして、ありがたいかぎり。ラダック自体についての認知度が予想以上に高くなっていたのが意外といえば意外。特典の小冊子とポストカードも、思っていた以上に面白がっていただけて、ほっとした。打てる手は全部打つ。やれることは全部やる。やっぱり何をするにも、それが基本だ。

あの、ころんとした形の本が店頭でちょこんと平積みにされている様子は、(ほんと我ながらバカみたいだけど)自分の子供のように愛しかった。これから、いろんな人のもとに旅立っていく本たち。その先には、どんな出会いや出来事が待っているのだろう。

バスで取材へ

午後、調布で取材があったので、三鷹駅南口からバスに乗って向かうことにした。

この季節、郊外にある大学での取材に最寄駅からスクールバスなどで向かうことは時々あるが、自分の家からダイレクトにバスで、というのはかなり珍しい。暑く感じるほどの眩しい光が差し込む窓際の席で、タイヤとエンジンの振動を背もたれに感じながら、片道30分ほどの旅。

取材はつつがなく終わり、調布駅の近くで煮干しラーメンを食べ、帰りも再びバスに。たまにはこんな取材もいいもんだ、と思ったけど、夕方だったからか、帰りのバスは予定よりかなり遅れて三鷹駅に着いた。時間厳守の取材の時には、ちょっと気をつけなきゃだな。まあ、これから先、いつこんな取材が入るかわからないけど。

焼肉のおすそわけ

ラダックの風息[新装版]」が無事に完成したので、昨日は吉祥寺の李朝園で、恒例の焼肉打ち上げ。ひさしぶりに食べに来たけど、安定のうまさ。今回の本は企画が通るまでにとんでもなく苦労させられたから、感慨もひとしおだ。

肉の合間にイカのゲソをうれうれと炙っていた時、隣の席にいたご婦人から、

「あの、すみません。もしよかったら、これ、めしあがりませんか?」

と、焼く前の肉がふた皿、差し出されてきた。聞くと、一緒にいた年配の男性が体調がイマイチなので、早めに切り上げて帰ることにしたのだという。

「残して帰ったら捨てられちゃうから、もったいないでしょう?」
「ありがとうございます。じゃ、いただきます」

というわけで、こちらとしては構想外だったホルモンとコブクロが供給され、期せずして異様に充実した食卓になった。こんなこと初めてだ。

ありがとうございました。ごちそうさまでした。そして、どうかお大事に。

振り回される側

今日も昼は暖かくて、強くてぬるい風が吹いていた。今は風は止んだようだが、ぴしゃぴしゃと雨の音がする。

ここしばらく、本当にありえないくらい忙しい日々が続いていたのだが、ようやくここ2、3日、ほんの少し落ち着いてきたような気がする。まあ、多い時で7、8種類くらいの仕事という名の心配事を抱えていたのが、4種類くらいにまで減ったというだけのことだが。とりあえず、ほっとしてはいる。

編集者として仕切る側の方が、ライターやカメラマンとして仕切られるより大変だと思われがちだが、僕としては自分でいろんなことを把握して調整できる方が振り回されなくて済むのでありがたいと思っている。まあ、編集者の立場だったとしても、依頼元に振り回されまくって疲れ果てるというケースもあったけど(苦笑)。

好きなように旅をして、撮って、書いて、本を作る。もしそれだけで生きていけるなら、他に何もいらないとさえ思う。