取材もなく、急ぎの仕事も特になく、こんな日は自堕落に寝坊したいところだが、世間がやたら金環食と騒いでいるので、目覚ましをセットして、早起きしてみた。
曇りかな‥‥と思ったら、一応、うっすらと日は射している。肉眼で直接見つめすぎると網膜に穴が空くかもしれないので、シャープペンの先で紙に穴を空け、ピンホールカメラの原理で影を観察。ほほう、確かに欠けている。
しばらく経つと、空がふっと薄暗くなった。最大食に達したらしい。日食というと、もっと辺りが夜のように真っ暗になるというイメージだったが、金環食は思ってたよりも明るいのだな。
その薄暗さもほどなく消え、周囲は再び朝の光を取り戻した。僕はすっかり満足して、寝床に戻って、二度寝した。