先週取材した分の原稿を編集者さんに送り、チェックに合わせて修正して、無事に納品。取材から執筆まで、かなりきわどいスケジュールだったが、どうにか責任は果たせた。
インタビューを基に原稿を書くという仕事は、かれこれ十数年やってきている。使っている録音機材も、今でこそICレコーダーだが、昔は古式ゆかしいテープレコーダーだった(笑)。とはいえ、やっている作業自体はそれほど変わらない。相手について下調べをし、原稿の仕上がりをイメージしながら質問項目を考え、相手のテンションを窺いながら、話を妨げないように、でも脱線しすぎないようにインタビューをコントロールする。取材が終わったら、ノートと録音データを突き合わせて話を整理し、文章の「流れ」を組み立て、コツコツと書き進め、推敲を繰り返して仕上げる。ライターという肩書のイメージより、はるかに地味で単調な仕事だ(苦笑)。
それなりに場数を踏んできたこともあって、インタビュー記事を書くという仕事には、ある程度習熟できたかなと思っている。ただそれは、完全に自分の存在を消した「黒子」の立場からのインタビューに限定されているとも思う。たとえば、「リトルスターレストランのつくりかた。」は、僕にとっては黒子に徹したインタビューの集大成みたいなものだった。
でも最近は、そうでないインタビューをやってみたいという気がむくむくと湧いてきている。黒子ではなく、僕という人間の存在や意志を明らかに感じさせる形で、相手に対峙するインタビュー。もちろん、それは相手をかなり選ぶことになるだろうが、だからこそ引き出せる言葉もあると思うのだ。そういう挑戦をする機会を作り出す努力はしていかなければと感じている。
というわけで、「インタビューしてよ!」という奇特な方、お待ちしています(笑)。