原発事故と差別

日本国内だけでなく、今や世界中の関心事となっている、福島第一原発の事故。事態がある程度収束するには、おそらくあと九カ月はかかるという。

今回の事故は、緊急時のバックアップ体制に大きな不備があったことは否めないが、ある意味、途方もない天災によってもたらされたものだ。だが、その一方で、どう考えても不条理な理屈によって発生している人災がある。それは、福島を中心とする被災者の方々に対する差別だ。

被災地から避難してきた子供が「放射能が伝染る」などと他の子からいじめられたとか。福島から来た人の宿泊を断っている旅館があるとか。はては、結婚が決まっていたのに、実家が福島にあるというだけで婚約を解消させられた女性がいるとか‥‥。

許せない。そんな差別をする人は、同じ人間として、絶対に許せない。

放射能に関するごく初歩的な知識も、現状を分析する判断力も持ち合わせず、根拠のない風評に惑わされて恐怖にかられている連中が、そんな愚かな行為に走っているのだと思う。だが、そういう差別をしている人は、自分自身が海外に出かけた時に、ほかの国の人から「触るな!」などと差別されることを想像してみればいい。実際、海外の国々から見れば、日本人全員が被曝してるんじゃないかと疑われているくらい、日本は小さな国なのだ。それとそっくり同じ差別を福島の被災者の方々にしているということを、その人たちは思い知るべきだ。

もう一度書く。そういう差別をする人を、同じ人間として、僕は絶対に許せない。

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