昼、近所のコンビニで、2月3日(木)にユーロスペースで開催される「カサヴェテス・メモリアルナイト」のチケットを買う。2011年の今になって、ジョン・カサヴェテスの姿をスクリーンで目にすることができるとは‥‥。尊敬する元編集者の方が企画したイベントだし、今から楽しみだ。
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最近、巷で話題のタイガーマスク現象。最初の「伊達直人」の善意ある行動(がマスコミにやたらめったら取り上げられたこと)によって、国内の児童養護施設が直面している現状に注目が集まっているのは、とてもいいことだと思う。ただ、そこからの連鎖反応で、大勢の「伊達直人」から児童養護施設などに次々とプレゼントが送られているというのは‥‥ちょっと冷静になった方がいいのでは、と思わなくもない。
去年の夏にラダックで洪水が起こって、大勢のラダック人が家や畑を失った時、インドの国内外からたくさんの支援物資がラダックに送り届けられた。もちろん、それらによって多くの被災者が救われたことは間違いない。でも中には、現地の被災者が必要としているものとはかなりズレた支援物資もあった。どこに置けばいいのか途方に暮れるほど大量のペットボトル入りの水とか(現地で活躍していたのは水を濾過する機械)、冬の厳しい寒さを凌ぐにはあまりにも薄すぎる毛布や衣服とか‥‥。その原因は、被災者が何を必要をしているのかということについて、外部の支援者と現地で支援活動を行っている団体との間で、意思疎通がうまくいっていなかったからだった。
社会的に弱い立場の人を善意で支援しようとするのは素晴らしい行為だ。でも、事前に何の連絡もなしに匿名でプレゼントを送るより、その人たちが今何を必要としているのかを聞いてからプレゼントや寄付をする方が、はるかに喜ばれるし、実際に役立ててもらえるはずだ。せっかくの善意がズレた押し付けになってしまわないように、ひと呼吸空けた方がいいんじゃないかと思う。