タイでの取材が終わる直前、首都バンコクでちょっとだけ時間の余裕ができたので、タイマッサージを受けに行ってみた。
場所は、BTS(スカイトレイン)スクムウィット線のオンヌット駅の近くにある、マッサージ店が集まる一角。バンコクの他の場所と比べるとかなり割安で、しかも腕のいいマッサージ師が集まっていると、その筋ではかなり有名な場所だ。僕が行ったのも、ごく普通の店構えのマッサージ店で、施術してもらったのもごく普通のおばちゃんのマッサージ師。薄暗い二階に上がって服を着替え、カーテンに囲われたベッドに横になり、約1時間。
僕自身、タイマッサージを受けたのは初めてだったのだが、思っていた以上に理にかなったマッサージ手法だなあ、と感じた。筋肉や骨や血管や神経などの構造をちゃんと把握した上で、手や肘や足を巧みに使って、とても合理的なやり方で施術しているのがわかる。ぼく自身、学生時代に体育会系の部にいた関係でマッサージもそれなりにやらされていたので、単に心地いいとかいう感覚的なところ以外で、なるほどこのやり方は合理的だなあ、と腑に落ちるところがすごく多かった。
全身、下から上まで前後左右、くまなくぐなぐなに揉みほぐされ、1時間後に店を出る頃には、驚くほど身体が軽かった。どんよりと重だるかった両肩や背中や両足が、嘘みたいにすっきりして、筋肉も柔らかくなっていたのだ。ほんの1時間でこんなにも変わるものなのかと、びっくりした。ちなみにその店、1時間で200バーツ。日本円で700円くらい。値段にもびっくりである。このタイマッサージのおかげか、帰国したばかりの今現在、身体の調子はとてもいい。去年までは、取材で蓄積したダメージから回復するのに1週間くらいかかってたのに。
来年タイに取材に行く時も、帰国前にはまた何とか時間を見つけて、オンヌットでタイマッサージを受けてこようと思う。