昨日は、梅屋敷の書店、葉々社さんの主催による、翻訳家の柴田元幸先生の朗読会に参加してきた。
柴田先生が登壇されるイベントに参加するのは、これが初めて。一年前に亡くなったポール・オースターの作品の中から、先生が訳出中の『バウムガートナー』や『燃える若者 スティーヴン・クレイン評伝』で印象的な部分の朗読があり、初期作品の『ガラスの街』や『幽霊たち』、『ムーン・パレス』からの朗読もあった。時に手をふりかざしながら朗々と読み上げる先生の声が、本当に素晴らしくて。先生の手がけた訳文が、それだけ吟味され、磨き込まれていることの証明でもあると感じた。
最後に、『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を朗読していただけたのも、嬉しかった。僕は映画『スモーク』を映画館で観たのをきっかけに、オースターの本を一冊また一冊と読み耽るようになった人間だったから、なおさら。良い時間だった……。有難うございました。
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アルド・レオポルド『野生のうたが聞こえる』読了。米国ウィスコンシン州を中心とした四季折々の自然と動物について綴った美しいエッセイと、土地倫理という考え方に基づく自然との関わり方の提唱とで構成されている。80年近く前に出版された本だが、少しも色褪せておらず、今の時代にも通じる理念を学べる、名著だと思う。