書き納め

年末年始は、やはりというか、予告通りというか、原稿を書き続けていた。

大晦日の前日に書いたのは、連載の最終回に掲載する予定の、3000字少々の短いエッセイだった。連載を開始した当初から、この内容の文章を最終回に用意することは、自分の中で決めていた。良い出来かどうかは、読者の方々に委ねるしかないが、ある意味、とても僕らしい……僕にしか書けない文章になったとは思う。

一年の最後に、自分で納得できる文章を書き上げることができて、少しほっとした。

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シルヴィア・プラス『ベル・ジャー』読了。2024年に自分が読んだ本の中で、どれがよかったかな……と考えていた頃、年の瀬にふと読みはじめたこの本が、大外から一気にまくっていった感がある。少しずつ読むつもりが、ぐいぐい惹き込まれて、大晦日の夜に読み切ってしまった。サリンジャーの作品群と比較して語る人が多いようで、それはもちろんわかるのだが、個人的には同じ米国人女性作家のカーソン・マッカラーズを思い起こさせる読後感だった。みずみずしく、奔放で、時に可笑しく、時に哀しく……。本当に美しい、珠玉のような文章で、日本語訳の丁寧さ、誠実さも素晴らしかった。

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