「ランガスタラム」

先週、「K.G.F」の2本の次に観に行ったのが、「ランガスタラム」。「RRR」で日本でも一躍有名になったラーム・チャランが主演を務めた、2018年の作品。これが今、日本で劇場公開される運びになったのも、「RRR」が大ヒットしたからなのは間違いないが、日本でもインド映画人気の裾野が広がったのは、良いことだと思う。

物語の舞台(ランガスタラム)は、1980年代のアーンドラ・プラデーシュ州にある架空の村、ランガスタラム村。電動ポンプで川の水を汲み上げて畑に給水して回ることで生計を立てているチッティ・バーブは、生まれつきの難聴で、音があまりはっきりと聴き取れないのだが、本人も周囲もそのことをたいして気にもせず、日々を快活に過ごしている。一方、村では30年もの間、「プレジデント」と呼ばれ畏れられている村長とその取り巻きが君臨し、彼らによる不可解な借金の取り立てにより、生活できなくなる村人が後を絶たないでいた。村人たちの窮状に心を痛めたチッティ・バーブの兄クマール・バーブは、有力な州議会議員の後押しを得て、村長選挙に立候補する決意を固めるのだが……。

アーンドラ・プラデーシュ州ののどかな田園風景から始まった物語は、思いもよらない方向に流転、反転、暗転していき、衝撃的としか言いようのない結末を迎える。予想よりもはるかに多くの死が(ある意味「K.G.F」よりも克明に)描かれていくし、何より、チッティ・バーブ自身の選んだ道が……。この作品もまた、インド社会における富と権力の極端な偏在と、それらに対するやり場のない怒りがテーマになっている。たとえ、その怒りの行末が、誰も救われようのないものであったとしても。

個人的には、「ラーンジャナー」並に衝撃的な結末と感じたインド映画だった……。

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