「カクテル 友情のトライアングル」

今年も始まった、インディアンムービーウィーク2022。僕が最初に観に行ったのは、「カクテル 友情のトライアングル」。監督はホーミー・アダジャーニア。主演はサイフ・アリー・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、ダイアナ・ペンティ。10年前に公開された作品だ。

執拗にお見合い結婚を勧める母親から逃れて、ロンドンに引っ越した、システムエンジニアのガウタム。毎夜のパーティー三昧の生活を送るフォトグラファーのヴェロニカ。夫と暮らすためにロンドンに来たら偽装結婚だと告げられ追い出されたミーラ。ふとしたきっかけから同じ部屋で暮らすようになった三人。完璧なバランスに思えた彼らの友情の日々は、やがて、少しずつ変化していき……。

欧州ロケ主体で撮影されたスタイリッシュなラブストーリーは、昔も今もボリウッド映画にたくさんあって、この作品もその系譜に連なるものだ。プリータムによる音楽は華やかだし、序盤のハイテンポでコミカルな展開は観客の期待を裏切らない。ただ、後半のシリアスな展開との落差が結構激しいのと、三人それぞれの内面の変遷を表現する描写がやや足りなくて、唐突に感じられるところもあった。

三人の中では、ディーピカーの演技が見事にハマっていて、圧倒的な存在感を放っていた。「オーム・シャンティ・オーム」でデビューした後、しばらくは演技面で辛口の批評を受けていたそうだが、この「カクテル」で一気にブレークスルーを果たしたという評価も、納得の出来である。企画当初は、ディーピカーがヴェロニカとミーラを一人二役で担当するアイデアもあったそうだ。それはそれで、見てみたかった気もする。

何だかんだで安心して楽しめる、今時のボリウッド作品。よきかな、よきかな。

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