「メイド・イン・バングラデシュ」

バングラデシュでは数少ない女性の映画監督、ルバイヤット・ホセイン監督の作品「メイド・イン・バングラデシュ」を岩波ホールに観に行った。予想通りというかそれ以上に、重い内容の映画だった。

舞台は、バングラデシュの混沌の首都ダッカ。衣料品の縫製工場で働くシムは、工場の火災で同僚を失ったのを機に、従業員の労働組合を作ろうと決意する。労働者保護団体からの助言を受けながら、同僚たちとともに密かに署名を集めたり、職場の写真を撮影したりするシム。劣悪な労働環境、未払いのままの給料、腐敗した経営者と役人、そして社会に根深くはびこる女性蔑視。傷つき打ちのめされながらも、労働組合設立のために奔走するシムの目指す先には……。

「このTシャツ、1日何枚作ってる?」「1650枚」「あなたたちのひと月の稼ぎは、このTシャツ2、3枚分」

僕たちの身近で販売されているファストファッションの衣類の多くは、シムたちのように劣悪な環境と安い賃金で働く労働者たちからの搾取によって成り立っている。衣類だけでなく、皮革製品や、釘やネジなど、さまざまなものがそうだ。そうした搾取の上に僕たちは胡座をかいて、見て見ぬふりをしているのだと思う。この作品は、若い頃からバングラデシュでの労働闘争に関わってきた女性の実体験をもとにしている。フィクションではあるが、投影されているのはまぎれもなく、バングラデシュの、そして世界の現実だ。

ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない幕切れは、バングラデシュの女性たちの闘いが、まだこれからも続いていくことを示している。

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