風景を撮るのも、人を撮るのも

「旅先で人の写真を撮る時は、どんな風にして撮ってるんですか?」という質問をされることが、割とよくある。人の写真がどうもうまく撮れない、何かいい方法があるのではないか、と思っている人が多いらしいのだ。

僕も写真で駆け出しの頃は(まあ今も駆け出しみたいなものだけど)、人を撮る時には、それ以外と何か違うアプローチがあるのでは、と手探りしていた時期があった。でも最近は、風景を撮るのも、人を撮るのも、自分にとっては同じことだな、と思うようになった。

こう書くと、「風景はその場にいれば誰でも同じように撮れるから、人を撮る方が難しくて技術が必要なのに決まってる」とか、あるいは「人を風景と同じようにモノ扱いして撮っているのか」と受け止める人もいるかもしれない。でも、僕にとっては、どちらもそうではない。人を撮るのに使う技術と同じくらい、風景を撮るのにもいろんな技術が必要になる(僕はそれらのごく一部しか使えていない)。そして僕は、特にここ数年、風景を撮る時にも、人を撮る時と同じように、その場面に気持を注ぎ込もうと考えながらカメラを構えている。気持を注ぎ込めば山や海が微笑んでくれるわけではないとは思うけど、何というか‥‥そこには何かの差が生まれるような気がするのだ。気持を注ぎ込んだ自分ならではの。

何だか雲をつかむような話になってしまったけど、風景を撮るのも、動物を撮るのも、人を撮るのも、僕にとってはやっぱり同じだなと思う。

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