辛味の伏兵

タイ料理は辛い、というイメージを持っている人は結構多いと思う。実際は、何から何まで手のつけようがないほど激辛な料理というわけではない。辛味だけでなく、甘味や酸味、香草の風味などをいろんな食材と組み合わせて楽しめるのが、タイ料理のいいところだ。

道端の露店や安食堂でよく出てくるカオマンガイやパッタイ、汁麺の類にしても、基本的には別に全然辛くなくて、日本人好みの味だ。まあ、地元の人たちがそれに粉末トウガラシをばんばんふりかけてるのも確かだけど(笑)。

とはいえ、うまいうまいと何でもかんでも食べてると、時々、とてつもなく辛いのにぶち当たってしまって、ヒーヒーと大変な目に遭う。トウガラシが丸ごとゴロゴロ入ってるような料理はある程度警戒して臨めるのだが、本当に辛いタイ料理は、往々にして見た目はとてもおとなしいというか、「あら、ワタシ全然辛くありませんことよ?」とすました顔をしてるのが多い。たとえばラープとか、ソムタムとか、ヤムウンセンとか。で、つい油断してぱくっと頬張ると、ヒェーッと口から火を吹くことになるのだ(笑)。

タイ料理は、辛味の伏兵にご用心を。

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