今年も九月下旬から約四週間、取材でタイを旅してきた。訪れた街は去年とおおむね同じだったのだが、通常のリサーチ取材に加えて、グラビアで使う写真の撮影のノルマもあって、なかなか大変だった。のんびり気楽に自分の好きな写真を撮るような余裕はほとんどなかったのだが、取材の合間に、あるいは取材の一環として撮った写真の一部を、何枚かここに載せてみようと思う。
最初の写真は、チェンラーイの街で土曜の夜に催される、サタデーマーケットにて。
チェンマイの街での取材中、突然、ものすごいスコールに見舞われた。これだけ降られると、傘や雨合羽はまったく役に立たない。レンタバイク屋の軒先で、一時間ほど雨宿り。
チェンマイのロイクロ・ボクシングスタジアムにて。本場のムエタイを間近で観る機会は、まだない。次に行く時は、できれば時間を見つけて観てみたいと思う。
夜、道端の屋台での晩ごはん。パパッとおかずを指差して、適当に盛りつけてもらう。隣のテーブルでは、食事を終えたおじさんが、氷水をすすりながらテレビを眺めている。ラムパーンにて。
チェンマイとラムパーンの間のあたりに、タイ象保護センター(TECC)という施設がある。ここでは象使い(マフート)になるための学校や、具合の悪くなった象を治療するための病院が運営されている。日課の水浴びを終えた象が、象使いを背に乗せたまま、悠々と岸辺に上がってきた。
見学に来たたくさんの小学生たちが見守るショーの中で、象使いに麦わら帽子を鼻で渡す小象。めんこいなあ。タイ象保護センターにて。
夕暮れ時、屋台でアイスクリームを買う母娘三人。ラムパーンにて。
ラムパーンの街で、かつて船着場として栄えたカート・コン・ターという古民家の立ち並ぶ通りでは、週末になるとナイトマーケットが催され、大勢の地元の人たちで賑わう。
どこの国でも、女性たちは、キラキラしたものに目がないようだ。ラムパーンのカート・コン・ターにて。
かいがいしく働いているのもまた、女性たち。ラムパーンのカート・コン・ターにて。
旅の中盤から後半にかけては、グラビアのための遺跡の撮影で忙しかった。天候にはまあまあ恵まれたので、何とか任務を完遂できたのだが。この写真は、スコータイのワット・マハータートにて。
スコータイの遺跡の象徴とも言える、ワット・シー・チュムの巨大な仏像。
スコータイから車で一時間ほどの場所にある、カムペーン・ペッのワット・プラケオに残る仏像。
アユタヤーの街の西外れにある寺院、ワット・チャイワッタナーラームにて。この街は18世紀頃にビルマ軍に占領され、仏像の類は徹底的に破壊されてしまった。
アユタヤーのワット・マハータートには、破壊された後に木の根の中に取り込まれてしまった仏像の頭部が残る。今年もまた、この不思議な仏像のご尊顔を拝することができた。